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エリヤとエリシャ【聖書】

Text:渋谷伸博

失われいく信仰を押しとどめた預言者たち

ソロモンの背信(はいしん)に対する神の怒りは、息子の代における国の分裂を招きました。

しかし、王たちは反省することなく、その後も状況は悪化するばかりでした。なかでも北王国(イスラエル王国)7代目王となったアハブの堕落はひどく、妻の信仰を取り入れ*バアル神を祀(まつ)るようになりました。

これに強く反対したのが預言者エリヤでした。

エリヤは王や王国民が立ち会う中、バアル神の預言者450人と対決をしました。ともに祭壇の上に犠牲の雄牛を置き、どちらの神が供物を焼くことができるかを競ったというのです。

この勝負にみごと勝ったエリヤは、バアル神の預言者たちを殺してしまいました。このためエリヤは王妃に命を狙われることになりましたが、王家への批判はやめず、彼らの無残な死の予告をしました。

こうした戦いを引き継いだのが、エリシャです。

エリシャはエリヤと行動をともにしていましたが、エリヤが火の戦車に乗せられて生きたまま天に召されると、自らもさまざまな奇跡を起こして人々に信仰の回復を説きました。

また、クーデターの示唆(しさ)や戦争の助力など政治的活動も行ないました。

なお、エリヤとエリシャが行なった、難病の治癒、死者の復活、パンを増やす(尽きない小麦粉)といった奇跡は、イエスが行なったものとよく似ています。

また、イエスが3人の弟子を連れて高い山に登り姿を変えた時、モーセと一緒にエリヤが姿を現してイエスと言葉を交わしたと福音書は述べており、旧約聖書の預言者の中でもエリヤはとくに重視されていたことがわかります。

用語解説 *バアル神 古代のカナン地方で信仰されていた天候や豊穣を司る神。サムソンの話に出てきたダゴンの子ともいう。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 聖書』
著者:渋谷伸博  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1960年、東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒。宗教史研究家。よみうりカルチャーなどで神話をテーマとした講座も開講している。著書多数。近著に『一生に一度は参拝したい全国の神社めぐり』『聖地鉄道めぐり』『神々だけに許された地 秘境神社めぐり』『歴史さんぽ東京の神社・お寺めぐり』(いずれもジー・ビー)、『あなたの知らない般若心経』(宮坂宥洪監修、洋泉社新書)、『諸国神社 一宮・二宮・三宮』(山川出版社)などがある。


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