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近世から長年続いたイギリスによるインド支配の変遷とは?【世界史】

Text:鈴木 旭

イギリスのインド破壊・植民地支配とその抵抗

インドはイギリスに綿織物を輸出していたが、産業革命以後、立場が逆転。イギリスに木綿工業の材料、綿花を輸出し、綿工業の製品半製品を輸入する市場になった。これによって、綿工業は衰退、社会構造は大混乱を来たす。加えて、英語教育やイギリス式司法=警察制度、近代的土地制度(地租)が一方的に導入されたため、旧制度下で権力を振るい、財産を維持して来た支配層はもとより、階層を問わず、農民、都市生活者がイギリスに反感を抱いたのである。

このとき、セポイ(シパーヒーともいう)と呼ばれるインド人傭兵隊が反乱する。彼らは上層カーストに属するヒンドゥー教徒と上流階級のムスリム(イスラム教徒)で編成された東インド会社の傭兵隊であるが、反乱に決起した。理由を尋ねると新たに採用されたライフル銃の薬包にヒンドゥー教徒が神聖視する牛の脂とムスリムが不浄とみなす豚の脂が使われているということだった。噂は否定されたが、誰も信用せず、メーラト駐留の傭兵隊が反乱。デリー駐留の部隊と合流したところで火がついた。

瞬く間に旧王侯・旧地主・農民・都市住民に広がり、ムガール皇帝バハードゥル・シャー二世を最高指導者にかつぎ上げる。反乱の炎は北インドを中心にして全インドの三分の二近くまで燃え広がるが、まとまりを欠き、ピークに達したところで指導者不在が明らかになり、分散する。

結局、徐々に形勢を立て直したイギリスが勝利するが、イギリスも東インド会社によるインド経営は無理と判断。イギリス女王ヴィクトリアがインド皇帝を兼任することになる。

 

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 世界史』
著:鈴木 旭 日本文芸社刊

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