最大の原因は人間がつくり出した温室効果ガス
太陽は、太古の昔から地球を温めてきました。
しかも、誕生から46億年を経た現在、太陽の明るさは誕生当時に比べて30パーセント増しになっていて、当然、エネルギーも増加しています。
太陽から降り注ぐエネルギーの増減が、地球の平均気温を変化させる可能性は十分にあります。
『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』62~63ページでお話ししましたが、太陽の黒点の増減は、地球の気候と関わりがあることがわかっています。
160年間の太陽黒点数と地球の平均気温の変化を見てみると、19世紀後半から20世紀前半にかけては、黒点数が多いときは平均気温も上昇しており、両者の相関が高いように思われます。
しかし、地球の平均気温を変化させる要因は、太陽エネルギーの変化だけではありません。
一時期、フロンガスによるオゾン層の破壊によって太陽光が地上をより強く照らすようになり、それが地球温暖化をもたらしている、といわれていました。
成層圏にあるオゾン層は太陽からの紫外線を吸収して、地球上の生物を守るバリアの働きをしています。
たしかに、フロンガスによってオゾン層が破壊されると、太陽光はほんの少しだけ地上を強く照らすようになります。しかし、太陽エネルギーの増加を見ると0.01パーセント程度です。
したがって、オゾン層の破壊が直接地球温暖化につながっているとはいえないのです。
それよりも、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが大気中に増加することのほうが、気温の上昇に大きく影響しているのです。いまのところ、これが地球温暖化の最大の原因とされています。
シリーズ累計220万部を突破した「図解シリーズ」の読みやすさ
図解シリーズは、右側に文章、左側に図解が乗っているので、本が苦手な人にも理解しやすい構造になっています。
図解シリーズには健康・実用だけでなく大人の学びなおしにぴったりな教養のテーマも。ぜひ手に取って確認してみてください!
気になる中身を少しだけ紹介①!「もし月がなかったら地球はどうなる?」
惑星と衛星がお互いにこれほど作用し合うのは、太陽系では地球と月だけと考えられています。そんな月がなかったら、海の満潮、干潮はもちろんのこと、地球はいまのような「命の惑星」ではなかった可能性があります。
たとえば、月の潮汐力は地球の自転スピードを遅くする作用をしています。もし月がなかったら、地球は1日8時間という猛烈なスピードで回転していたと考えられます。
そうであれば地表も海も大荒れの状態で、もし生命が誕生できたとしても、現在の人類のような進化は望めなかったでしょう。
もし月がなかったら、地球の自転軸は不規則に変化し、大規模な気候変動が起こっていたはず。このように唯一の衛星である月こそが、地球に生命の誕生をもたらしたと考えられるのです。
気になる中身を少しだけ紹介②!「宇宙の膨張は加速しているってホント?」
宇宙が膨張していることが明らかになったのは、1920年代のことです。いずれ膨張のスピードは落ち、やがて収縮していくのではないかと考えられていました。ところが、1998年。驚くべき発見がありました。それは宇宙の膨張は遅くなるどころか、加速しているというものでした。
さまざまな観測結果から、ダークエネルギーは水素やヘリウムなどの通常の物質の約18倍、ダークマターの約3倍存在すると考えられていますが、多くのことはわかっていません。しかし、このダークエネルギーが膨張する宇宙の未来に関わっていることは間違いありません。
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いかがでしたか?本書『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』を手にとって、お読みいただくことで、最新の宇宙の姿について知ってもらうだけでなく、日進月歩の天文学の面白さと、その魅力について知っていただければ、そしてまだまだ謎に満ちた宇宙に親しんでいただければ幸いです。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 宇宙の話』
監修:渡部潤一
地球は宇宙のどこにあるの? 太陽が巨大化するってホント? 宇宙はいくつもあるの? 素朴なギモンに即答.。宇宙のナゾに迫る! 地球の生い立ちから、お隣の天体・月の謎、太陽と惑星の素顔、恒星と銀河、宇宙論まで、最新の天文学、宇宙物理学、惑星科学に踏まえてやさしく解説。豊富なイラスト、約50のテーマで、夢とロマンに満ちた、いちばん新しい宇宙の姿がよくわかります。太陽系のナゾから最新の宇宙理論まで、宇宙のフシギをズバリ解明します!
公開日:2022.10.24