終わりが好印象だとすべてよし【ズルい言い換え事典】
新近効果の活用法
「終わりよければすべてよし」ということわざがあるが、その通りである。
対人関係におけるこれは「新近効果」と言われるもので、人は最後の情報によって印象が左右されるというもの。米国の心理学者N・H・アンダーソン博士が行った実験で、いくつかのパターンで模擬裁判を行った結果、どの場合でも最後に行った証言に最終決定が左右されたのだ。つまり、人との関係性においても最後の時間をいかに有意義に共有するかが重要だということだ。
別れ際の挨拶を気持ちよくできるかどうか、最後のミーティングにどれだけ好印象を残せるかが、あらゆる課題の解決に必要不可欠なのである。
プレゼンは後半を希望
プレゼンや意見交換のときに印象を残すにはできるだけ後半の方に発言するのがよい。
最後の挨拶に気をつける
別れ際に「とても楽しかったです!またお願いします」の習慣を忘れないように。
【出典】『ズルい言い換え事典』
監修:齊藤 勇 日本文芸社刊
執筆者プロフィール
1943年山梨県生まれ。文学博士。対人心理学者。早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。立正大学心理学部名誉教授、大阪経済大学客員教授、日本ビジネス心理学会会長、日本あいづち協会理事長。
「お世辞感を出さずにうまくほめて相手の懐にはいりたいとき」「自分の立ち位置を守るべく、肯定も否定もせずにその場をのりきりたいとき」職場や家族、恋人、友人などの人間関係をなるべくストレスなく過ごすために、自分の求めている返答や行動を相手から引き出したい瞬間は多くあります。そのときにひとこと言い換えるだけで、相手を自在にあやつる言葉の言い回しのコツを紹介します。実際に心理学者たちがおこなった心理学実験や、深層心理をもとにその言い換えをすることでもたらす心理効果を解説。人間の思考のメカニズムも学ぶことができます。思い通りに人を動かしたい人だけでなく、人にマイナスイメージをもたれたり、自分のもつキャラクターを傷つけたりすることを恐れる繊細な人が対人回避術として使用することもできる一冊。
公開日:2023.08.17