短期の投資スタイルが有利な時代
株を長期保有していても、儲かるとはかぎらない。
株価下落前に売る投資スタイルが主流に
株式投資のスタイルは、投資の期間(株を保有する期間)によって、大きく三つに分けることができます。
●短期売買
●中期売買
●長期売買(長期投資)
これらの投資期間には厳密な区切りがありません。たとえば、4カ月間の投資が、短期という人もいれば、中期という人もいます。それぞれの期間については、かなり曖昧といえます。いうまでもありませんが、デイトレードは短期売買です。それも「超」がつくほどの短期です。
かつて、個人投資家の投資スタイルは、中長期が主流でした。高度経済成長時代、ほとんどの銘柄は株価が右肩上がり。多少の下げはありましたが、長期的には上昇傾向にあったわけです。そのため、株を持っていれば、株価が上がり、含み益がどんどん大きくなりました。下げた場面でも売らずに我慢し、継続して持っていれば、よかったわけです。株を持っていれば儲かる、という時
代でした。
ですから、中長期の投資スタイルが主流だったわけです。しかし、現在では長期的な上昇トレンドではないので、株を持ち
つづけていれば儲かるという時代ではありません。むしろ、持ちつづければ損をする確率のほうが高くなったといえます。
ライブドアショック、リーマンショック、ギリシャ財政不安、コロナショックなどがいい例です。そのため、中長期の投資スタイルをやめ、短期に切り換える投資家が増えてきました。株価が上がっている期間だけ株を持ち、下がりはじめる前に売ってしまうという、なるべくリスクを負わないような投資スタイルが主流になったわけです。
売買手数料の自由化も短期売買の追い風に
また、売買手数料が安くなったことも、短期売買の追い風になりました。かつては、1回の注文が約定すると、数千円、数万円という料金がかかりました。
そのため、株価がわずかばかり値上がりしても、利益が出なかったわけです。手数料が短期売買をする上でのネックになっていました。ですから、中長期で大きな値幅を狙うしかなかったといえます。
しかし、現在では、手数料が大幅に安くなりました。わずかな値幅でも利益が出るようになったわけです。手数料については、あとで詳しく解説しますが、ネット証券のなかには、1回の注文で数百円しかかからないところもあります。
そのため、株価がたった1円値上がりしただけでも、利益を出すことが可能になりました。短期売買をする上でネックになっていた、手数料の問題が解消されたわけです。
短期の投資スタイルが有利
株は長期間持っていれば儲かるのか?
トレンドと投資スタイルの関係
高度経済成長期
長期にわたって上昇トレンドが続いたので、株を長期間持っているほうが有利だった。
現在
上昇トレンドが長期間続かないので、株を持つ期間は短いほうが有利になった。
デイトレードでは長期トレンドの影響を受けにくい。上昇トレンドでも下降トレンドでも儲けられる!
安定した長期上昇トレンドが長く続かない現在の相場では、短期間で利食いするテクニックが必要
出典:最新版 これから始める株デイトレード
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公開日:2023.09.04