フェンシング 競技別解説
全神経を集中する切っ先とともにジャンプ
フェンシングは近代ボクシングの起源とも言われる競技です。剣を持つか持たないかは大きく違いますが、動きの基本はボクシングと同様で、間合いの取り方が勝敗を握るカギになります。剣を使うことに関しては剣道とよく似ていますが、フェンシングは刺す競技のため剣の回し込みがなく、切っ先は常に直進的に動かします。そのため、剣を自分の身体から離れた位置で構えてしまうと、それ以上動かせなく(突けなく)なってしまいます。
ですから、構えを決めるときは、自分のどこに剣を構えると動きの変化が出しやすいかを見極めることが大切です。常に切っ先に全神経を注ぎながら、切っ先とともに最短距離でジャンプして、相手を狙います。
競技の起源
フェンシングの直接の起源は中世ヨーロッパの騎士道だという。その後、火器類の発達で戦場での実用性は衰退したが、繊細なテクニックに魅せられる者が多く、競技化への道を歩むことに。1750年に金網のマスクが開発されると、危険性が大幅に緩和され、ヨーロッパ各地で盛んに競技会が開催されるようになった。
瞬発的移動=テレポーテーションを可能にする構え
【クロス】正面に構えるクロスタイプ
アウトサイド側でラインを作る構えになり、剣を自分の正面に置いておかないと、相手に入られてしまう。前に出るときは、後ろの手を身体の近くに置いたまま、前の手と連動させることで瞬発力を発揮することができます。
【パラレル】体側で構えるパラレルタイプ
インサイド側でラインを作る構えになり、身体の角度がついているため、体側で構えても剣が正面に入ることができる。前に出るときは、後ろの手は剣と逆方向に残して身体を入れ替えることで、瞬間的な動きが可能になります。
【書誌情報】
『廣戸聡一 ブレインノート 脳と骨格で解く人体理論大全』
著者:廣戸聡一
「本来の自分の身体の動きと理屈を知り、身体だけでなく精神的な部分との兼ね合いの中で、“いかにして昨日の自分を超えるか”という壮大なテーマを、人体理論の大家であり、日本スポーツ・武道界の救世主と呼ぶに相応しい、廣戸聡一が、自身の経験と頭脳のすべてを注ぎ込んで著す最強最高の身体理論バイブル。四半世紀でのべ500,000人の臨床施術により、多くのトップアスリート、チーム、指導者、ドクターとの関わりの中で行き着いたトレーニング&コンディショニング理論の集大成、ここに完成。オリンピック競技を含む全52種目を個別にも論及、紐解いた、すべてのアスリート、指導者、スポーツファン必携の書!
公開日:2021.06.27