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あなたの腰痛が病院に行くべきか否かを判断する基準とは?【専門医がしっかり教える 図解 腰痛の話】

Text:吉原潔

動ける痛みであればセルフケアで

腰痛の症状が出たとき、みなさんはどのように対処されていますか。セルフケアで治すか、すぐに病院へ行くべきかで悩む人もいるでしょう。ここではどの対処がベターか、1つの目安を紹介します。まず緊急を要するのは、38~39度くらいの高熱とともに激痛がある場合です。細菌性の病気の可能性もあり、すぐに医療機関の受診をおすすめします。整形外科よりも内科の受診を優先してください。

また、下半身のしびれや痛みを伴うもの、歩行や排泄の障害を伴う痛みの場合は、整形外科での受診が望ましいでしょう。ちなみに、激痛とひとくちにいっても、痛みの感じ方には個人差があります。私が整形外科の受診をすすめるレベルの激痛のイメージは、「痛みで身動きがとれない」「他人の手助けがないと生活できない」など、著しく日常生活が制限されるほどの痛みです。

一方、セルフケアで治ることが多いのは、つらさをあまり感じない程度の痛みや、徐々に痛みが軽くなってくるようなケース。このような症状であれば、しばらく様子を見てもいいでしょう。

腰痛の治療に整体や整骨、接骨院へ行く人が増えています。施術効果が見られればよいですが、長引くようなら症状の正しい原因を知り、適切な治療を受けましょう。そのためにも、脊椎外科専門医がいて、通院が苦にならない距離にある医療機関でしっかりと診察や検査を受けてください。

病院に行くべき腰痛

病院に行くべき腰痛『専門医がしっかり教える 図解 腰痛の話』

どんな症状なら医療機関へ行くべきか、対処法の判断基準を以下に紹介します。 発熱を伴う激しい痛みは、緊急を要する場合があります。

発熱を伴っている (緊急)、どんな体勢でも耐えられないほどの痛みがある (緊急)、安静にしていても痛みが引かない、日ごとに痛みが悪化する。慢性化している、下肢のしびれや痛みを伴っている、歩行障害や脱力感、脚の筋力低下を伴っている、排尿・排便障害や会陰部(えいんぶ/陰部から肛門周辺)の感覚異常を伴っている

出典:『専門医がしっかり教える 図解 腰痛の話』著/吉原潔

【書誌情報】
『専門医がしっかり教える 図解 腰痛の話』
著:吉原潔

今や4人に1人が悩んでいるとも言われる国民病である『腰痛』。ぶつけた、痛めた、ぎっくり腰といった原因がハッキリしている腰痛だけでなく、『脊柱管狭窄症』『椎間板ヘルニア』『ぎっくり腰』などによる痛みや、病院で検査しても特に異常が無いと言われるものまで、痛みの原因は多種多様にあります。しかし、そんな痛みに対して痛み止めや筋弛緩剤などの薬で対処療法だけをしていても根本の治癒にはなかなか繋がらないため、しっかりと『腰痛の原因』と向き合うことが大切です。本書ではそんな腰痛を治して、長い人生を痛み無く健康に過ごすために、『脊柱脊髄外科専門医』と『フィットネストレーナー』という2つの肩書を持つ腰痛の名医による、腰痛が治らない意外な原因と、骨と筋肉にアプローチする自宅でできる腰痛のセルフケア法を紹介します。

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