「自由ってなに?」20世紀末、社会主義から自由主義への移行を経験した、アルバニアでの少女時代を綴る哲学的自伝。
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株式会社 勁草書房(東京都文京区水道/代表取締役社長 井村寿人)は、レア・イピによる『FREE――歴史の終わりで大人になる』(山田文 訳)を2025年2月17日に発売します。
■『FREE――歴史の終わりで大人になる』について
「スターリン像を抱きしめた日、私は大人になった。」
社会主義下のアルバニア。粛清と困窮にあっても自由への期待に満ちた少女時代は、1990年、抗議行動の高まりで一変する。自由選挙と市場開放に続く構造改革、移民増加、ねずみ講破綻は、その後、激しい暴動に発展する。ある世代の希望は別の世代の幻滅となり、家族の秘密が明らかになる。ふたつの世界を往還する20世紀の成長物語。
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(C) Stuart Simpson/Penguin Random House
『FREE――歴史の終わりで大人になる』(原題:FREE: Coming of Age at the End of History)は、英国ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)政治理論教授のレア・イピが2021年に発表した哲学的自伝です。彼女が少女時代をすごしたアルバニアは、1990年に社会主義一党独裁体制から自由市場・自由民主主義への体制転換を経験します。かつて「ありあまるほどある」と思っていた自由や民主主義は、「謎めいた未来の状態」だったのかもしれない。体制転換と時を同じくして、彼女は自身の家族の真実を知ります。現代世界における「自由」を痛切に問う必読書です。
著者レア・イピは、マルクス、カント、グローバル正義、移民等の分野で多数の著書・論文があります。イギリスのガーディアン紙をはじめとする主要メディアでも活発な言論活動をおこない、各紙誌でもっとも重要な思想家・文化人の一人(「Prospect」「Frankfurter Allgemeine Zeitung」「El Pais」)に選出されるなど、世界中の注目を集める研究者です。
一般読者に向けて書かれた本書は、現在30以上の言語で翻訳出版されており、2022年には王立文学協会オンダーチェ賞を受賞、ベイリー・ギフォード賞の最終候補にも選出されるなど、高く評価されています。
書誌ページ ▶ https://www.keisoshobo.co.jp/book/b657314.html
Amazon ▶ https://www.amazon.co.jp/dp/4326852046
■永井玲衣さん、宇野重規さん推薦!
永井玲衣さん(哲学者、『水中の哲学者たち』著者)――
社会にからめとられながらも、わたしたちはこんなにも生きようとすることができる。
時に飽き飽きし、時に渇望し、時に手触りをもち、時に手からすべり落ちる。
自由、このおそるべきもの。
宇野重規さん(政治学者、『民主主義とは何か』著者)――
こんなに切ない政治学者の本を読んだのは初めてだ。
社会主義下のアルバニアに育った少女が、自由選挙・市場開放・構造改革に翻弄されていく。「自由」が父や母との関係を変えていく。「希望」の苦さ、「市民社会」の矛盾、「政治的多元主義」の欺瞞。「過去は失敗し、未来のつくり方は学んでいなかった」という言葉が重い。それは私たち自身のことだ。
政治と民主主義をそれでも考えたいという人すべてに読んでほしい。
■本書たちよみ
小社編集部ウェブサイト「けいそうビブリオフィル」にて、本書より「5 コカ・コーラの缶」「10 歴史の終わり」「エピローグ」の一部を公開しています。
▶ https://keisobiblio.com/2025/02/07/atogakitachiyomi_free/
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(C) Stuart Simpson/Penguin Random House
■特別掲載 宇野重規さん書評
本書の発売にあわせ、宇野重規さんに書評 「自由」に引き裂かれた、遠い国の少女が訴えかける物語 を寄稿していただきました。発売に先行して「けいそうビブリオフィル」にて公開しています。
▶ https://keisobiblio.com/2025/02/10/bookreview_free/
■海外のレビュー・書評――『エデュケーション』、『あなたのセックスが楽しくないのは…』著者も推薦!
魅了された。真実だと思っていたものが塵と化したとき、どう生きるべきかについての手引き書。……いま『FREE』を読むことは、冷戦期を回想するというより、あらゆる社会が辿るかもしれない道筋を垣間見ることであり、未来からの絵葉書を読むということだ。
――チャールズ・キング/ワシントン・ポスト紙
イデオロギー、闘争、喪失、不確かさ…、歴史的な大転換のさなかの子ども時代。これは、忘れがたく力強い生命を吹き込まれた歴史。
――タラ・ウェストーバー(『エデュケーション』)
知的刺激に満ち、衝撃的。『FREE』は問いかける。完全ではない場所や人びとと接触したときわたしたちの理想に何が起こるのか、過去の残骸から何を学ぶことができるのか。
――アーザル・ナフィーシー(『テヘランでロリータを読む』)
クラシックで感動的な成長物語。辛辣でときにダークな笑いを誘ったかと思うと(スターリン主義と世界銀行を分け隔てなく痛烈に批判する)、鋭い洞察力を発揮する。
――ニューヨーク・タイムズ紙
必読。レア・イピの魅力的な文章は、かたや回想録でかたやビルドゥングスロマンで、社会主義とポスト社会主義の個人的な物語を綴る。
――クリステン・R・ゴドシー(『あなたのセックスが楽しくないのは資本主義のせいかもしれない』)/ジャコバン誌
■目次
I
1 スターリン
2 ほかのイピ
3 471──簡単な経歴
4 エンヴェルおじさんは永遠にわたしたちのもとを去った
5 コカ・コーラの缶
6 同志マムアゼル
7 日焼け止めクリームの匂い
8 ブリガティスタ
9 アフメトは学位を取った
10 歴史の終わり
II
11 グレーの靴下
12 アテネからの手紙
13 みんな出ていきたがっている
14 競争のゲーム
15 わたしはいつもナイフを持ち歩いていました
16 これもまた市民社会
17 クロコダイル
18 構造改革
19 泣くんじゃありません
20 ヨーロッパのほかの国のように
21 一九九七年
22 哲学者は世界を解釈してきただけだ、重要なのは世界を変えることである
エピローグ
謝辞
訳者あとがき
■著者紹介
レア・イピ(Lea Ypi)
ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス政治理論教授、オーストラリア国立大学名誉教授。専門はイマヌエル・カント、マルクス主義と批判理論。ロンドン在住。主著に、Global Justice and Avant-Garde Political Agency(2011),The Architectonic of Reason(2021, いずれもOxford University Press)。初めて一般の読者に向けて執筆した『FREE』は王立文学協会オンダーチェ賞およびスライトリー・フォクスト誌ベスト・ファースト・バイオグラフィー賞を受賞。ベイリー・ギフォード賞とコスタ賞伝記部門の最終候補にもなった。現在、30以上の言語に翻訳されている。祖母について語った次作『Indignity』を2025年に刊行予定。
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Photograph: Florian Thoss
■訳者紹介
山田 文(やまだ ふみ)
翻訳者。訳書にアミア・スリニヴァサン『セックスする権利』(勁草書房)、キエセ・レイモン『ヘヴィ――あるアメリカ人の回想録』(里山社)、ヴィーラ・ヒラナンダニ『夜の日記』(作品社)、ヴィエト・タン・ウェン編『ザ・ディスプレイスト――難民作家18人の自分と家族の物語』(ポプラ社)、フランシス・フクヤマ『「歴史の終わり」の後で』(マチルデ・ファスティング編、中央公論新社)など。
■原著情報
Lea Ypi, FREE: Coming of Age at the End of History, Penguin(Allen Lane, UK), 2021
■書籍概要
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【タイトル】FREE――歴史の終わりで大人になる
【著者】レア・イピ
【訳者】山田文
【仕様】四六判/半上製/344頁
【発売日】2025年2月17日
【定価】3,300円(本体3,000円)
【ISBN】978-4-326-85204-8
【URL】https://www.keisoshobo.co.jp/book/b657314.html
【ブックデザイン】albireo
【Cover Design】Olga Kominek
【画像クレジット】
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カラー:Photograph: Florian Thoss
モノクロ:(C) Stuart Simpson/Penguin Random House
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公開日:2025.02.14
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