西東京のドクターKから東京ヤクルトのドクターKへ!
7月29日、神宮球場で行われたヤクルトvs阪神の一戦、前日大敗を喫したヤクルトが3‐1で接戦を制し雪辱を果たした。
この試合「ラブすぽ」はヤクルト3番手で登板した長谷川宙輝投手に注目。今シーズンより活躍の場を求め、福岡(ソフトバンクホークス)から東京に舞台を移したプロ入り4年目(もうすぐ22歳)の左腕を紹介したい。
試合はヤクルトが復帰後2戦目となる原樹理、阪神は今シーズンまだ勝ち星のないガルシアの両投手が先発。1回表、阪神の大山悠輔がタイムリー内野安打で1点を先制すると、それを追うヤクルトは4回裏、絶好調若き4番の村上宗隆がレフトスタンドへ値千金の逆転2ランHRを放つ。
また、6回裏には阪神能見篤史の代わり端をヤクルト塩見泰隆がセンターバックスクリーンへソロHRを放ち阪神を突き放した。投げては先発の原樹理が5回1失点に抑え、後続投手も阪神に得点を許さず逃げ切った。
結果から見るとヤクルトが接戦を制した試合だったが、中盤ヤクルトにも大きなピンチがあった。6回表、先発の跡を継ぎ梅野雄吾がマウンドに立つと、フォアボール2つとヒットで1アウト満塁の大ピンチ。連戦で特に中継ぎ投手は温存したいところだが、たまらず高津臣吾監督はピッチャーの交代を告げた。
このピンチでマウンドを任されたのが、今シーズンからヤクルトに加わった期待の左腕、長谷川宙輝。阪神の打順が近本光司、糸井嘉男と左打者が続くことから起用されたのであろうが、長谷川宙輝の武器である150キロを超えるストレートが唸りを上げ、見事無失点に抑えこのピンチを切り抜けた。
高校時代は決して強豪校ではなかったものの、1試合あたりの奪三振数の多さから“西東京のドクターK”と言われ当時から注目されていた。2016年、福岡ソフトバンクが育成ドラフト2位で指名しプロとしてのキャリアがスタートとした。その後、3シーズンを経てNPB育成選手に関する規約に沿って自由契約となり、ヤクルトが支配下登録選手として獲得したのである。
長谷川自身も東京出身であり、子供の頃はヤクルトスワローズのファンクラブに入っていたという話もある。長谷川宙輝とヤクルトは、その頃から何かしらの縁があったのかもしれない。
“西東京のドクターK”から“東京ヤクルトのドクターK”に!!先発投手としても起用されるのも、そう遠いことではないのであろう。今後更なる活躍を期待したい。
公開日:2020.07.30