偏った食生活の見直しを
街へ出れば24時間、食べ物が手に入るこの時代に、特に若い世代の間で栄養不足に陥る人が増えているという驚きの報告があります。食生活が豊かになった現代で、なぜこのような問題が起こっているのでしょうか。
コンビニやファストフードばかりに頼る食生活では、どうしても糖質と脂質をとり過ぎる傾向にあります。
このため、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足し、「カロリーはとっているのに栄養不足」という状態を引き起こしてしまうのです。
例えば、「ビタミンB1」は、糖質をエネルギーに変えるときに働く栄養素です。糖質に偏った食生活では、常に多くのビタミンB1が消費されるため不足しがちになります。
そのため糖質からエネルギーがつくれず、疲れやすくなったり、頭がぼんやりしたりといった症状が現れるのです。
ほかにも、目の細胞に働きかける「ビタミンA」が不足すると「夜盲症」に、赤血球の材料となる「鉄」が不足すると「貧血」に、骨をつくる「カルシウム」の不足は「骨粗しょう症」を引き起こします。
食糧難によるかつての栄養失調とは異なる原因で起こるため、「新型栄養失調」「隠れ栄養失調」などと呼ばれる現代の栄養不足。本当の意味で豊かな食生活を送れるよう、偏った食事や栄養バランスの見直しを行いましょう。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 栄養素の話』
著:牧野直子
シリーズ累計発行部数130万部突破の人気シリーズより、「栄養素」についてフォーカスした一冊。一口に栄養素といっても、その種類や働きは様々なものがあります。また、世間の栄養素に対する考え方として、何となく取らないといけないことは知っている、でもよくわからないし、自分も家族も気にしてないけど、病気になってないから別に栄養なんてどうでもいい、という人は多いと思います。しかし、年齢を追うごとに病院に行ってもよくわからない原因不明の不調などが出てきて、それが栄養不足や栄養過多から来ている、という事実は意外と知られていません。そして、薬では直せないものは栄養不足を解消する事で改善できる、という事が多々あります。そんな絶対に知っておくべき栄養の話を図解、イラストでわかりやすく紹介します。
公開日:2020.08.03