日本人は遺伝的に海藻を分解できる
内臓脂肪の増加を防ぐ食べ物として、海藻もそのひとつに挙げられます。海藻は食物繊維を豊富に含み、カロリーも低くてヘルシーな食べ物。しかもその食物繊維は水溶性食物繊維で、胃腸に留まる時間が長くて腹持ちがいい、という長所も併せ持っています。
この海藻、消化しにくくて食べてものそのまま出ていくものだ、とこれまでは考えられていました。ところが2010年、英科学誌『Nature』に「日本人は海藻を分解できる酵素を持っている」という論文が発表され、話題になったのです。
この論文によると、日本人13人と米国人18人の腸内細菌を調べたところ、海藻を分解できる酵素が日本人の5人から発見され、米国人からはまったく発見されなかったとのこと。日本人が昔から海藻を食べる習慣があったことが要因とも考察されています。
いずれにしても、海藻を分解できる腸内細菌が遺伝的に伝わっているというのは、内臓脂肪がつきやすい日本人にとって朗報です。海藻を分解すると、分解の過程で短鎖脂肪酸が発生し、これが中性脂肪の取り込みを抑えたりエネルギー消費を高めたりすることが動物実験からわかっています。
わかめ入りの味噌汁、海苔、 海藻サラダなど、海藻の入った食べ物を意識的に摂ることで肥満の抑止につながるでしょう。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 体脂肪の話』
著:土田隆
シリーズ累計発行部数80万部突破!体脂肪をテーマに、健康・実用ジャンルで制作する図解シリーズ最新作!ダイエットでも課題になる体脂肪。そもそも内臓脂肪と皮下脂肪ってどう違うの?など基礎的な話から、それぞれがどういう理由で付いてしまうのか、また、付いてしまったら最短で落とす方法は?などなど、体脂肪に関する実用的な情報をわかりやすく、図解、イラスト付きで専門家が解説します。お腹のお肉がなかなか落ちない…。健康診断で内臓脂肪を指摘された…。そんな悩みは本書で一発解消!自分と家族の体と健康のためにぜひ読んで頂きたい一冊です。
公開日:2019.11.25
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