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AIの存在を身近に感じられるロボットたち【AIとテクノロジーの話】

Text:三宅陽一郎

感情を持ったロボットこそ、未来に託された夢の始まり

「AI(人工知能)=ロボット」というイメージを持っている人は、少なくないはずです。

 

1950年に出版されたSF界の巨匠アイザック・アシモフ氏『われはロボット』には、すでにロボットが人間に対して守るべき行動規範が定められていました。さらに日本国内ではSF小説やマンガ、アニメのカルチャーが発達し、将来的には人の形をしたアンドロイドが友だちになってくれたり、生活を支えてくれたりするんだと信じている人は、世界に比べてみても多いのではないでしょうか。

 

2003年には、人間の女性そっくりにつくられたアンドロイドが発表され、2005年の「愛・地球博」で接客ロボット「アクトロイド」という名称で、実際に使われました。AIと音声認識技術による簡易な会話や、センサーによる感情と行動を結び付けた画期的なロボットの登場ともいえます。

 

2014年には、ソフトバンクが発表したクラウド型AIと感情を表現するエンジンを搭載した本格的AIロボット「Pepper 」が登場します。みなさんが、一番身近に感じたAIロボットだともいえるでしょう。2015年には法人向けだけでなく、個人でも購入できるようになり、今では世界中で利用されています。以降国内では、Pepperと同じようなクラウド型AIを搭載した家庭用の小型ロボットも続々と発売されました。

 

ただしAIを搭載し、人と友だちになれるレベルのロボットは、残念ながら誕生していません。最近ではロボットの形が必要なのかという議論も多く聞かれます。それでも人間が夢に描くロボットは、近い将来誕生すると思いたいところです。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 AIとテクノロジーの話』
監修:三宅陽一郎  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
ゲームAI開発者。京都大学で数学を専攻、大阪大学大学院理学研究科物理学修士課程、東京大学大学院工学系研究科博士課程を経て、人工知能研究の道へ。ゲームAI開発者としてデジタルゲームにおける人工知能技術の発展に従事。国際ゲーム開発者協会日本ゲームAI専門部会チェア、日本デジタルゲーム学会理事、芸術科学会理 事、人工知能学会編集委員 。


進化し続けるAI(人工知能)とテクノロジーにより「シンギュラリティ」は刻々と近づいている。ビッグデータ、IoT、ディープラーニングをはじめ注目の仮想通貨・ブロックチェーン・MRなど、知らないではすまされない最先端の技術革新と私たちの近い未来の「変わる生活」をについて、科学オンチにも身近で大切な話題を中心テーマにわかりやすく図解した一冊!

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