特別な日を表す「ハレ」と普通の日を表す「ケ」
祭りや年中行事、冠婚葬祭などの非日常を「ハレ(晴)の日」、それ以外の日常を「ケ(褻)の日」といいました。ハレの日には、食べものや着るものも普段とは違う特別なものにし、メリハリがつけられました。
お正月や成人式に着る着物のことを「晴れ着」というのはこのためです。祝いの席に欠かせないお赤飯や尾頭付きの魚、お酒などもハレの料理です。さらに場所としてのハレの空間には神社や寺院などの固定された空間のほか、たとえば花見などで紅白幕を張れば、そこはたちまちハレの空間となります。
「ケ」の語源
ケ(褻)とは「普段着の肌着」を意味する言葉で、明治までは普段に着る服を「褻(け)着(ぎ)」といいました。また、病気やケガなどでケの生活がうまくいかなくなることをケが枯れる「ケガレ(気枯れ)」といいました。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 日本のしきたり』監修:千葉公慈
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 日本のしきたり』
千葉公慈 監修
「運気を上げる」をキーワードに、「春」「夏」「秋」「冬」の1年を通して行われる暮らしの中のしきたりと、成長や長寿なと?を祝う「通過儀礼」のしきたり、結婚や葬式なと?にまつわる「冠婚葬祭」のしきたりを解説していきます。また、しきたりの「そもそも」と、古来より受け継がれてきたしきたりの変化、地域色、慶事と弔事のしきたりなど、「しきたり七不思議」的な視点で読者の興味を喚起します。日本人ならぜひとも知っておきたい日本のしきたりを図解でわかりやすくまとめて紹介!
公開日:2021.09.01