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縁起最高のラッキーデー! 「八十八夜」に行うべきこととは?

末広がりの縁起のよい数字が重なる八十八夜

 八十八夜は立春から数えて(立春を1日目として)88日目のことで、節分やお彼岸などと同じ雑節のひとつです。童謡『茶摘み』で「夏も近づく八十八夜~♪」と歌われるように、八十八夜の3日後には立夏がやってきます。

しかし春から夏への移ろいを見せるこの時期、茶農家ではお茶の新芽摘みの最盛期を迎えます。昔から「八十八夜の忘れ霜」といわれ、遅霜が降りることがあるからです。お茶の新芽は霜に弱く、ひとたび霜が降りてしまうと枯れてしまうため、素早く茶摘み作業を終わらせなければなりません。

その一方で、八十八夜に摘んだお茶は縁起物とされます。八十八夜のお茶は飲むと長生きするといわれ、この貴重なお茶を神棚に供えるならわしは今も各地に残されています。なお、この時期に収穫されたお茶の新芽は、「新茶」として市場に出回ります。

また、八十八夜はコメ農家にも関係しています。八十八という数字は組み合わせると「米」という字になることから、豊作を願う祭りや祈祷などの行事や儀式が行なわれました。農家にとっても特別なこの日を目安に、苗代作りや種籾おろしなどの農作業に取りかかりました。

それは漁村も同じで、八十八夜は重要な意味を持ちます。瀬戸内海地方の村々では、この日から約1ヶ月間は1年で最も多くの種類の魚が獲れる時期として、「魚島」や「魚島どき」と呼ぶしきたりがあります。

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 日本のしきたり』監修:千葉公慈

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 日本のしきたり』
千葉公慈 監修

「運気を上げる」をキーワードに、「春」「夏」「秋」「冬」の1年を通して行われる暮らしの中のしきたりと、成長や長寿なと?を祝う「通過儀礼」のしきたり、結婚や葬式なと?にまつわる「冠婚葬祭」のしきたりを解説していきます。また、しきたりの「そもそも」と、古来より受け継がれてきたしきたりの変化、地域色、慶事と弔事のしきたりなど、「しきたり七不思議」的な視点で読者の興味を喚起します。日本人ならぜひとも知っておきたい日本のしきたりを図解でわかりやすくまとめて紹介!