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コーヒーや紅茶等に含まれる若干のリスクはあるがダイエットや生活習慣病の予防にもなる成分とは?【植物の話】

Text:稲垣栄洋

共通項はカフェインだが健康効果、栄養面ではどれがおすすめか

植物由来の嗜好飲料であるコーヒー、紅茶、緑茶などの健康効果がよく取り上げられます。コーヒーは脳卒中、認知症予防、紅茶は血圧の上昇を抑制し、緑茶はダイエットや生活習慣病の予防になるなどといわれます。

名称が違う茶飲料は、どこがどう違うのでしょうか。麦茶やそば茶などの代用茶以外は、「チャノキ」の葉からつくられます。さまざまなお茶は、発酵による茶葉の化学的変化を利用しますが、ふだん飲む緑茶は、発酵させないでつくる「不発酵茶」です。

発酵のさせ方は、弱発酵(中国茶)、半発酵(ウーロン茶)、完全発酵(紅茶)、後発酵(黒茶)の4種類で、初めの3種類は「酸化発酵」とよばれ、酵素で発酵させますが、後発酵は麹菌という微生物で発酵させます。いずれにせよ、発酵させるか、させないかで、茶の種類が決まり、味わいが異なる茶飲料ができるわけです。

嗜好品の飲料にも若干のリスクはあります。それはコーヒーなどに含まれているカフェインです。

各飲料のカップ1杯(150ml)当たりのカフェイン量は、玉露がいちばんですが、その効き目はゆっくりしています。効き目の速さの点ではコーヒーがいちばん。しかし、コーヒーを飲むときに注意しなければならないことは「カフェイン中毒」です。欧州食品安全機関(EFSA)の基準では、健康で妊娠などしていない成人のカフェインの1日の摂取量は400mgまでならば問題ないとしています。

150mlのカップ1杯のコーヒーには、下図からわかるように、90mgのカフェインが含まれています。1日に4杯程度までならば安全ということになります。ストレス解消になるとはいうものの、1日に何杯も飲むことは避けたいところです。

各種の茶の違いは発行の度合いで決まる/カフェイン量の多い玉露

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 植物の話』
監修:稲垣栄洋  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
植物学者・静岡大学教授。1993年、岡山大学大学院農学研究科(当時)修了。農学博士。専攻は雑草生態学。1993年農林水産省入省。1995年静岡県入庁、農林技術研究所などを経て、2013年より静岡大学大学院教授。研究分野は農業生態学、雑草科学。


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「花の女王はバラ、では雑草の女王は?」
「なぜ夏の木陰はヒンヤリするのか?」
「昆虫と植物は必ずギブ&テイクの関係なのか?」
「植物は数学を知っている?」
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など身近な疑問から、花粉を運ばせるための昆虫だましテクニック、一歩踏み込んだ光合成のしくみまでわかりやすく紹介します。

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