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地球上の「磁場」はどのように発生したのか?【地学の話】

磁場の起源とその逆転はあったのか?

現在の地球は、自転軸にほぼそった向きにN極とS極の並んだ棒磁石のような磁場(双極子磁場)を持っています。融けた鉄でできている中心核の中で流体の運動が電流となり、電磁石となっている(ダイナモ作用)と考えられています。

このような磁場は地球に限ったものではなく、太陽、水星、木星、土星、木星の衛星ガニメデなど、太陽系内の幅広い天体に存在している共通の特徴です。火星も現在は双極子磁場は存在しませんが、数十億年前には存在していました。金星だけが磁場がなく、異端児です。

地球の磁場は結構大きく変化をしています。まず、北磁極、南磁極の位置、おおざっぱには自転軸の向きですが、時間とともにフラフラ動いています。20世紀の100年間で1000㎞以上動きました。このため現在の北と数百年前の北では方位が異なります。

また、その強さも変化していて減少し続けています。このままいくと、近い将来磁場がなくなる日が来るのかもしれません。映画『ザ コア』の世界です。ことに極めつきは磁石の向きです。岩石に残された過去の磁場の向きを調べると、ある時期には現在と反対方向を向いていたことがわかりました。南極が北極、北極が南極です。磁場は逆転するのです!

過去の長い歴史を調べると、現在の向きが安定というわけではなく、正転状態と逆転状態がほぼ均等に起きています。最も直近の逆転期は、259万年前から77万年前まで続いたMatsuy ama期です。京都大学の松山基範教授が発見したことからこの名前がついています。

なぜ、どのようなきっかけで逆転するのか、残念ながら、しかし、研究者にとっては幸せなことに?わかっていません。磁極の移動、強度の変化、逆転と磁場は、地球の他の性質とは大きく異なり、時間的に大きな変動を示すダイナミックなものです。

さて、磁場には私たちにとって大変重要な役割があります。太陽からやってくる高速の荷電粒子の流れ(太陽風と呼ばれる)を磁場が捉え、地球への直撃から護まもってくれているのです。高速の荷電粒子はそのまま降り注ぐと地表に生きる生命にとって有害なもので、私たちは地球磁場によって太陽風の攻撃から防衛されているのかもしれません。では、磁場が減少し続けている状況で、また磁場が逆転したとすれば、そのとき未来はどうなるのでしょうか?

出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 地学の話』

【書誌情報】
『図解 地学の話』
著者:高橋正樹 他

地学は「地球を対象とする自然科学」の学問。ジャンルが幅広く興味深い話題も多い。地球の誕生から、火山や地震のメカニズム、異常気象や天気図、地層・化石まで、「地球物地学」「火山学」「気象学」「地質学」の4テーマに分けて解説。図解で楽しくわかりやすく勉強になる1冊。

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