巨人軍は育成制度をうまく使いこなせているのか?
日本一から10年以上も遠ざかる“球界の盟主”巨人。若手育成を疎かにしてきたツケが低迷の要因と言われているが……実際のところはどうだろうか?
原辰徳が3度目の監督に就任する前後から息を吹き返した巨人の育成選手たち
2011年オフに勃発したこの事件で清武は球団社長を解任され、チームを去った。育成選手制度導入のキーパーソンであった男の退団はその後の巨人の育成選手の活用に少なからず影響したのか、12年以降に支配下登録された育成選手で目覚ましい活躍を見せた選手は皆無。いつしか巨人は再びFAやトレードによる選手補強に熱心になっていった。
しかし、原辰徳が3度目の監督に就任する前後から巨人の育成選手たちは息を吹き返した。投手ではメルセデスが今や左のエース格として台頭し、東京五輪ではドミニカ代表としても活躍。
かつてはとび職として働いていたという増田大輝は代走のスペシャリストとして一軍に定着。松原聖弥に至っては20年に86試合に出場すると昨季はレギュラーに定着して打率.274、本塁打は育成選手史上歴代最多となる12本を放つという大活躍を見せている。巨人が若手を育てないというのははるか昔の話で、育成制度を導入して以降は積極的に若手育成に努め、この制度をフル活用しているように思える。
しかし、それでも巨人の現状を見ると、若手選手の陣容がやや物足りないように映るのは否めない。松原が今季不調なのも少なからず影響しているが、やはりエースやレギュラークラスの選手が若手選手の中から現れるのが必要不可欠と言えそうだ。
出典:『がっつり! プロ野球(32)』
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公開日:2022.11.30