外国産馬として初めて有馬記念を勝ったグラスワンダー
アーモンドアイが新記録となる、芝GⅠ8勝をあげた天皇賞(秋)。
それから1週間しか過ぎていないが、早くも次世代のスター候補を決めるレース「京王杯2歳ステークス」が開催される。
新馬戦が始まってから、まだ数ヶ月しか経っていないため、毎年出走してくる多くの馬が1勝馬ばかりだが、ここを勝ってスターホースへと駆け上がっていった馬が多く、まさに東のスター登竜門的なレースとなっている。
今年も、2014年のアイルランドトロフィーで外ラチ沿いにモタれるも勝ったエイシンヒカリのように、新馬戦で外ラチ沿いにモタれながら勝った「リフレイム」。出走中唯一の重賞勝馬「リンゴアメ」など、今後のスターホースの予感漂う馬達が、出走を予定している。
今回は新たなスターホース誕生となる前に、京王杯2歳ステークスを勝ってスターホースとなった偉大な先人馬を紹介しよう。
1997年勝馬「グラスワンダー」
新馬戦から2連勝で臨んだ、当時の京王杯3歳ステークス(現表記では2歳)を、6馬身差の大差をつけ圧勝。これが重賞初勝利となった。
続く朝日杯3歳ステークスを、後のGⅠ馬となる、アグネスワールドやマイネルラブなどをねじ伏せ、レコードタイムで勝利しGⅠ馬の仲間入りを果たす。
しかし、その後に骨折が判明。長期休養することになった。
秋の毎日王冠で、10ヶ月ぶりに復帰するが、サイレンススズカに屈し5着と惜敗。続くジャパンカップを見据えて、アルゼンチン共和国杯に出走するも、6着と初の掲示板外となった。
そのため、ジャパンカップを諦め有馬記念を選択する。
その有馬記念では、2度使ったことにより馬体の張りも良くなっていた。
そして、天皇賞(春)を勝ったメジロブライトを退け、有馬記念に勝利。これは外国産馬として初、史上最短キャリアの7戦目での覇者ということになった。
その後も怪我との闘いもありながら、史上3頭目の春冬のグランプリ制覇、史上2頭目のグランプリ3連覇を達成するなど活躍した。
引退後は種牡馬となり、スクリーンヒーローやアーネストリーなどのGⅠ馬輩出し、さらにはスクリーンヒーローから、モーリスが誕生するなど、今でも脈々と血を受け継がせている。現在は功労馬として明和牧場で余生を過ごしている。
今年の京王杯2歳ステークスでは新たな伝説馬の誕生となるか⁉
発走は、11月7日・東京競馬場11レース、15時35分予定。
公開日:2020.11.06