優雅な女の子のお祭りも、起源はなんと厄払いだった!
女の子の健やかな成長と幸福を願い、ひな人形を飾り、白酒や菱餅、ハマグリの吸い物やちらし寿司などの縁起物の膳で祝います。このひなまつり、もともとは「上巳の節句」と呼ばれる五節句のひとつで別名「桃の節句」。今でこそ女の子の成長や幸せを願う行事として親しまれていますが、災いや穢れを祓う禊の風習がその由来。古代中国では、「上巳」と呼ば
れる旧暦の3月最初の巳の日を厄日とし、水辺で身を清めて無病息災を祈りました。さらに自分の身代わりの「人形」に穢れや災いを移し、川や海に流しました。
これが日本に伝来し、すでに平安時代には人形を川に流す風習があり、現在にも残る「流しびな」の原型となりました。これに貴族の女の子たちの人形遊び「雛遊び」と結びついたのが、ひなまつりの起源といわれています。
きらびやかな衣装をまとった豪華絢爛な段飾りのひな人形が登場したのは、江戸時代になってから。ちなみに、ひなまつりが終わったらひな人形を早く片付けないと婚期が遅れるといわれるほかに、ひな人形が身代わりで引き受けてくれた厄災が戻るからという説も。ひな人形を片付けるのは、啓蟄の日がいいとされています。啓蟄は二十四節気のひとつで、毎年3月6日ご
ろ。いずれにしても、おひな様に感謝しつつ丁寧にしまうことで、片付けもバッチリできる女子力&運気がアップするというわけです。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 日本のしきたり』監修:千葉公慈
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 日本のしきたり』
千葉公慈 監修
「運気を上げる」をキーワードに、「春」「夏」「秋」「冬」の1年を通して行われる暮らしの中のしきたりと、成長や長寿なと?を祝う「通過儀礼」のしきたり、結婚や葬式なと?にまつわる「冠婚葬祭」のしきたりを解説していきます。また、しきたりの「そもそも」と、古来より受け継がれてきたしきたりの変化、地域色、慶事と弔事のしきたりなど、「しきたり七不思議」的な視点で読者の興味を喚起します。日本人ならぜひとも知っておきたい日本のしきたりを図解でわかりやすくまとめて紹介!
公開日:2021.09.04