贈答のしきたり
お中元やお歳暮をはじめ、感謝の気持ちやお祝い事、お見舞いなど、日本には贈り物の文化があります。あらたまった贈り物には熨斗や水引をつけるしきたりがあり、贈り物への日本人の美しい心遣いがあります。
熨斗と水引
熨斗は、水引の右上の折り紙のようなもので、古くから続く伝統的な飾り。慶事の場合のみにつけるもので、弔事にはNGです。水引は和紙をとめるこよりです。結び方には種類があり、水引の本数も慶事には奇数、弔事には偶数にするのがよいとされています。
贈り物を選ぶときは
贈り物を選ぶ際は、贈る相手に何を贈れば喜んでもらえるかを考えます。そのためには、相手の好み、家族構成、暮らしや趣味などを知っておくと選びやすいでしょう。また、現金や金券で贈る場合、それだけでは露骨すぎると感じる場合は、お花などのちょっとしたものに添えて贈る方法もあります。
贈り物の渡し方
熨斗のついた贈り物は、玄関先で渡すのはNG。部屋に案内されてから渡します。表書きを相手に向け、両手で差し出すのが礼儀です。
お返しをする際の時期と金額の目安
贈り物をいただいた際は、お返しをします。ただしお中元やお歳暮、陣中見舞いや災害見舞に対するのお返しは不要です。
◆結婚祝い:式後1カ月以内。いただいた額の1/2程度の引き出物か内祝いを
◆法要:即日返し。金額は2000~5000円程度で
◆葬儀:四十九日法要後、いただいた額の1/2~1/3 程度の香典返しを
◆お見舞い:全快後1~2週間。いただいた額の1/2~1/3 程度の内祝いを
◆出産祝い:出産後1ヶ月以内。いただいた額の1/2~1/3 程度の内祝いを
◆就職祝い:初任給で手みやげを購入し、できれば近況報告に伺う
< 渡し方NG3つ>
・風呂敷のまま差し出すのは失礼
・むき出しのままは失礼。包装を
・デパートなどの紙袋からは出す
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 日本のしきたり』監修:千葉公慈
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 日本のしきたり』
千葉公慈 監修
「運気を上げる」をキーワードに、「春」「夏」「秋」「冬」の1年を通して行われる暮らしの中のしきたりと、成長や長寿なと?を祝う「通過儀礼」のしきたり、結婚や葬式なと?にまつわる「冠婚葬祭」のしきたりを解説していきます。また、しきたりの「そもそも」と、古来より受け継がれてきたしきたりの変化、地域色、慶事と弔事のしきたりなど、「しきたり七不思議」的な視点で読者の興味を喚起します。日本人ならぜひとも知っておきたい日本のしきたりを図解でわかりやすくまとめて紹介!
公開日:2021.09.29