12球団完全データファイル2021
両リーグ、前年最下位チームが優勝を果たしという前代未聞のシーズンとなった2021年。12球団の詳細なデータをもとに、今季の戦いぶり&来季に向けた課題、期待値を完全掲載!
【今季の課題】ケガ人復帰は明るい要素!ノーモア・勤続疲労
セ・リーグ屈指の先発王国は、はかなくも崩れたが、昨シーズン今永昇太が戻り、シーズン終盤には東克樹も復帰。ロメロの残留で再建策は整ってきた。今永昇太の開幕出遅れは残念だが、シーズン前半戦での復帰に期待。あとはリリーフ陣の疲れを抜くだけ。エスコバー、山﨑康晃、三嶋一輝、砂田毅樹が60試合前後を投げたが、これでは勤続疲労で戦線離脱の無限地獄から抜け出せない気がする。
打線は充実しているだけに、ある程度は割り切って、投手陣の登板間隔をコントロールしてリフレッシュさせていけば、最下位という結果にはならないだろう。 大和と柴田竜拓のショートはいよいよ限界。正遊撃手育成にも全力を尽くしたい。
こうして並べると賛否両論はあったが、ラミレス監督の手腕がくっきりと表れる。ただ、今季に関してはこれまでの過投のツケを支払った形で三浦監督の評価は来季以降に持ち越し。
【チームMVP/伊勢大夢】悔しさをバネに来季は守護神を狙え
順当に見ればチームMVPは牧秀悟なのだが、リリーフ陣再建への期待を込めて、伊勢大夢を推したい。2年目の今季は39試合に登板し、0勝1敗、6ホールド、防御率2.80をマーク。
右サイドから繰り出す重いストレートは良質多彩。高めに伸び上がったかと思えば、今度はコーナーに突き刺さる。奪三振率9.68は出色の数字で、なおかつ35.1回を投げて被本塁打ゼロ。どう考えても負けパターンで投げさせる投手ではない。
シーズン終盤には2度のセーブ機会を任されたが、いずれも失敗。メンタル面というよりはコントロールや技術の問題。順調に行けば、来季はもっと存在感を増すはずだ。
【チーム逆MVP/上茶谷大河】3年目でドン底に突入…もっとやれていい素材
ルーキーイヤーの2019年に7勝6敗、防御率3.96の好成績を挙げ、大いに期待された上茶谷だが、2020年は右肘の炎症で出遅れ、2勝3敗。昨季は大乱調で1勝3敗、防御率7.15でシーズンを終えた。
フォーム改造で迷走し、ストレートのノビが失われていたが、終盤戦にやや復調。上茶谷にすべてを被せるのは酷だが、少なくとも7~8勝はできるポテンシャルはあるだけに物足りない結果だ。
野手で挙げるとするならば大和か。打撃力はさておき、守備でも11失策。年齢的な問題もあるが、データ上では守備範囲も狭まっている。守れなくなれば、いよいよ居場所が失われるのでは…?
【セリーグ6位】横浜DeNAベイスターズ
【2021シーズン成績】
54勝73敗16分
勝率 .425
得 点 559 ②
失 点 624 ⑥
本塁打 136 ③
盗 塁 31 ⑥
打 率 .258 ②
防御率 4.15 ⑥
規定投球回到達者なしはセ・リーグではDeNAとヤクルトだけ。ゆとりローテを維持したヤクルトとは違い、DeNAは単に戦力不足。今永は5月に復帰後、19試合で5勝5敗、防御率3.08と好成績を挙げたが、時すでに遅し…。
出典:『がっつり! プロ野球(30)』
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公開日:2022.03.10