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「一括」と「分割」では金銭感覚が違う!?支払う金額の大きさで印象が変わる「マグニチュード効果」とは?【ゼロからわかる知らないと損する行動経済学】

Text:ポーポー・ポロダクション

支払う金額で金銭感覚が変化する

洗濯機や冷蔵庫、高額な家電製品や車など、大きな買い物をするときは「一括」で買おうとすると高いと感じます。しかし「分割」で支払おうとすると、高いという感覚が希薄になり、購入してもいいかなという気持ちになります。これを「マグニチュード効果」といいます。

一括で支払う場合は数十万円、数百万円という金額は圧倒的に大きく感じます。ところが1回の支払いが数万円、1万円となると、急に安い印象になってしまうのです。1回の支払う金額の大きさによって印象が異なり、選択や行動が一貫しないで変化してしまうことの証なのです。

マグニチュード効果の例

マグニチュード効果は、100万円の支払いを20回の分割払い(無利息)にすると、1回の支払金額が5万円になり、総額では100万円と変わらないのに、「安い」と感じてしまう心理効果です。金銭感覚が狂ってしまい、ついつい買いすぎてしまうことも…。

このマグニチュード効果をうまく使った例があります。有名なのはデアゴスティーニ社が毎週(隔週)出している雑誌です。模型やDVDなどを24回、30回と分割して販売し、全部揃うとひとつの模型が完成したり、シリーズの作品がすべて揃うという付録雑誌です。

まとめて揃えると10万円以上するような高価なものも、細かく分割することで、1回の価格が3980円などになり、高いと感じません。さらに初回の価格を299円、490円とインパクトのある金額にし、端数効果を併用することで購入を促す戦略を取っているのです。つい買ってしまいたくなる高度な戦略です。

「ゼロからわかる 知らない損する 行動経済学」はこんな方にオススメ!

・行動経済学を学んでみたい!
・一括と分割では感じ方が違うのはなぜ?
・ビジネスに行動経済学を取り入れてみたい
・行動経済学を学ぶメリットを知りたい

そう感じている方にはぜひ本書『知らないと損する 行動経済学』を手に取っていただけたらと思います。

出典:『ゼロからわかる 知らないと損する 行動経済学』著/ポーポー・ポロダクション

【書誌情報】
『ゼロからわかる 知らないと損する 行動経済学』
ポーポー・ポロダクション 著

コロナ禍により、さらに注目を集めている行動経済学。消毒液をプッシュするとおもしろい音が出ることで、手指の消毒を促進したり、レジ前に足跡のマークをつけてソーシャルディスタンスを保ったり。行動経済学は難解な経済の話だと思われることもありますが、そんなことはありません。「1980円はなぜか安く感じる」「中古品の買取価格に毎回満足できない」「投票の話を聞くだけで投票率が上がる」など、「つい、○○してしまう」という人の不思議な行動を扱う、身近なテーマです。本書ではお金と心理の話を中心に、そんな行動経済学のおもしろさが伝わる内容となっています。初心者の方はもちろん、行動経済学への理解を深めたいと考える方にもおすすめしたい一冊です。

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