本書で紹介している肺活メソッドは、ストレッチと筋肉刺激、肺活量を上げる運動によって、脂肪が燃えやすい体をつくっていきます。「運動は健康にいい」とよく言われますが、常に体を鍛えているはずのスポーツ選手も病気になることはあります。これは、どうしてなのでしょうか?スポーツは、競技によって「よく使う筋肉」が決まっているからです。競技のパフォーマンスを上げるには、重要な筋肉を中心に鍛えていくため、逆に使わない筋肉が出てくるのです。全身の筋肉をすべて使っているスポーツはありません。
医学の観点から考案したストレッチ
肺活メソッドのストレッチは、医学の観点から考えられています。不調の原因に目を向け、そこから逆算し、改善に効果的な筋肉にターゲットを絞り、刺激していきます。そして、全身の筋肉をまんべんなく動かせるというのも大きな特徴です。
眠っている筋肉を目覚めさせる
私は以前、腹斜筋(わき腹の筋肉)を傷めたことがあります。それまではあまり意識することのなかった筋肉で、使わなかった分、ケガをしやすい状態になっていたのだと思います。このように、自分では気づいていないだけで、長い間ほとんど使うことがなかった筋肉が、あなたにもあるのではないでしょうか。それが年齢を重ねると、痛みやケガとなって現れるのです。ケガをした場合、部位によってはギプスをしたり、ベッドで安静にしていなくてはならないため、1カ所のケガで全身の筋肉が落ちてしまうこともあります。
それまでどの程度運動をしていたかにもよりますが、1週間で筋力の約15%が失 われ、1カ月で、筋肉の大きさが半分ほどになるとも言われます。そして、もとのように回復するにはより多くの時間を要します。特に高齢者の場合は、筋肉が衰え るスピードが速いので、そのまま寝たきりになってしまうこともあります。肥満を解決し、今より快活でありたいなら、眠っている筋肉を動かすことです。使っていない筋肉をゼロにしていきましょう。
肺活メソッドでは、普段使っていない筋肉をいかにして鍛えるか、ということに重点を置いています。1つの動作で多くの筋肉をストレッチしたり、同時に筋肉を鍛えられるように考えられています。肺活メソッドを継続して実践することで、深層筋が自然と鍛えられ、ミオグロビンの多い質のいい筋肉に生まれ変わります。
【書誌情報】
『肥満がいやなら 肺を鍛えなさい』
著:加藤雅俊 (薬剤師、体内環境師、薬学予防医療家)
肺の主な役割は「呼吸」と「血液循環」。酸素を含んだ血液を体内に循環させているが、十分に機能しないと不調を招く。
本書では、肺を鍛える方法として「肺ストレッチ」を提案。肺と血液の関係を説明しながら、その方法を紹介する。
公開日:2020.03.22
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