リーグ戦が終わり、なでしこクラブが推しの方にとっては皇后杯が始まるまで、もう少しだけ静かな週末が続くことかと思います。
対して、WEリーグの方はまだまだ開幕したばかりと、それぞれで独立する二つのリーグには時間軸としてかなりの差があります。
なでしこリーグの期間は、クラブ数の関係で若干短いという違いはあるものの、Jリーグとほぼほぼ同じ時間軸で進みます。
一方のWEリーグは9月に開幕し、途中中断期を挟み、翌年の6月ごろまで続くヨーロッパ的なスタイルをとっています。
プロリーグということもあり、海外に時期を合わせることで外国籍選手の移籍を促す意図があってのことかと思います。話を聞いていると課題も多そうですが、プロ化によって海を渡り、結果にも繋げている選手たちもいるようですので、今後どのようになっていくか楽しみではあります。
一方で、国内での流れに目を向けてみると、なでしことWEシーズンのズレにはやりづらさが生まれているようにも感じています。
まず、なでしこからWEへの移籍の場合です。WEリーグの終幕となる6月ごろからプレシーズンの始まりにかけてオファーの話が出てくるため、なでしこ選手とってはリーグ真っ只中のタイミングとなります。
また、なでしこリーグが終わる時期にもオファーは来ますが、今度はWEリーグの方が開幕したばかりのタイミングですので、先を見据えた上での判断というのはなかなか難しいかもしれません。
そして、それ以上に大変だと感じているのはWEからの移籍です。
先にも述べましたが、そもそものリーグ期間が異なるため、万が一契約満了となり、いざなでしこリーグへ移籍しようと思っても簡単にはいかないケースがあります。
その大きな要因の一つは雇用先です。プロリーグとは違い、ほとんどの選手がスポンサー企業などで働きながらプレーしており、受け入れ先クラブは雇用先なども考慮した上での選手獲得の判断をします。
トップから一気に地方リーグへ移籍ということがありましたが、今後も同じような事例が起こると思います。
今回はなでしこリーグとWEリーグのシーズンの違いをテーマに書いてきましたが、システムに対してどうこういうよりは、こういった点を知った上で、選手たちが個々でどのような決断をしていくかということのほうが重要です。
一度きりの人生の中で選手として生きられる期間はさらに短いものです。後がないリスクを負いながら、その中でも生き残ってやるという強い気持ちで臨むことも、先々を考えた選択をとることも、そのどれにも正解はなく、結局は自分で考えて決断した道を肯定するために生きる必要があります。
お金をもらうことだけがプロの定義なのかという議論がよくされるようになり、数字として伸びないプロリーグへの冷ややかな言葉もよく見かけますが、私は選手たちのなかに選択肢が増えたこと自体は重要なことであり、そういった面が結果に繋がるとしても、それはまだもう少し先のことだと思っています。