この記事をもって『ラブすぽ』で書かせていただくのは最後となりますが、ラストは今までの内容に沿って、クラブ運営面から考えるスフィーダ世田谷FCの魅力についてお伝えしようと思います。
練習場やホームスタジアムのような場所の確保に苦しむ背景もあり、昨シーズンの公式戦世田谷開催はなんとゼロ試合。これではスフィーダ東京FCになってしまうと、クラブMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を改新したのが去年のこと。
矢印の方向性を揃えてからの爆進ぶりはものすごく、今シーズンでは2試合の世田谷開催が決まり、開幕戦では2,407人、そして中断前ラストの試合では3,239人もの観客動員数を叩き出しました。
また、8月には初となるクラブ主催のお祭りも開催されました。様々な出店や世田谷O-50選抜とのスペシャルマッチなどで盛り上がり、親善試合後にはピッチを解放して選手と子供たちの交流タイムでも楽しい時間を過ごしました。
そもそも昨年のMVV改新の流れも移籍してきた2020年当時からはびっくりなスピード感でしたが、今シーズンでのこれらの出来事はいつか叶う日が来るのかな程度にしか想像できておらず、正直このクラブのポテンシャルを過小評価していたなと。
このクラブの快進撃の肝は「世田谷をもっと楽しく」と、地域密着に振り切った点だと考えています。この点に関して私はどちらかというと社会課題解決の視点から運営を考えていたので、実際のクラブの動きとそこからの起きてくる現象はとても興味深かったです。
私のような視点で回しているクラブの話も聞きますが、事業規模としては大きくはなるものの、観客動員のような直接的な数字にはなかなか結びつきづらいようなので、この点も含めてとても興味深い観察対象だなと。
平均的な街クラブの拠点と比べても、世田谷の人口は現時点で91万人という大きなポテンシャルを持ち、またGMや代表の人柄がそのまま出ているようなクラブカラーは熱量と才能を持った人材を惹きつけ続けてきての今。
なんでもやっぱり一番興奮するのは自分の頭の中以上の光景を見た時で、それを自クラブで見られることはとても幸せなことだなと。
選手としては9歳くらいから、そして強化を超えた運営視点では特に日本に帰国したタイミングから試行錯誤を始め、最近になってようやく、これまでの人生をかけて集めてきたピースのはめ方が見えつつあります。
残念ながらおもしろくなってきたこのタイミングでこちらでの発信を終えますが、個人的な発信は引き続き継続して行く予定ですので、ぜひそちらの方でも今後ともどうぞよろしくお願い致します。