体でつくった力をヘッドに伝える
【部位】左小指側3本 【機能】クラブを固定する
力を入れても問題が出ない握り方を探す
クラブの動きがわかったところで、それをどうつくっていくのか。ここからは、クラブに近い部分から関節ごとに、動き方や動く部分についてPGAツアープロの平均データを参考にしながら説明していきます。クラブと体の接点となっているのが、手です。接点という意味で、手の役割の第一は、クラブの動きが乱れないように、しっかりと支えることとなります。その役割を主に果たしているのが、左手の小指、薬指、中指です。
この3本指の指先(いわゆる腹と言われる部分)と手のひら(指の付け根)でグリップをはさんで固定します。手のひらをどの程度使うかは、人によって違います。手のひらの部分をほとんど使わないのがフィンガーグリップと呼ばれるスタイル。手のひらの部分を多めに使うのはパームグリップと呼ばれるスタイルになります。
指だけで固定するのは力が弱くて頼りないと感じるかもしれませんが、グリップエンドのテーパー(口径の広がり)を利用すると、それほど力は必要ではなくなります。どちらの持ち方でも、力が入ったときに指や手のひらを巻き込んでしまうと、フェースの向きが変わります。力を抜いて使うつもりでも、自然に力が入ることがあります。そうした場合に、フェースの向きに問題が出ない握り方や使い方を探す必要があると言えます。
フィンガーグリップとパームグリップ
【フィンガーグリップ】
指で握り、手のひらの部分をあまり使わないグリップ。腕とクラブの角度は比較的小さくなる。
【パームグリップ】
手のひらの部分を多く使って握るグリップ。腕とクラブの角度が広くなる傾向がある。
出典:『ゴルフ当たる!飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』著/奥嶋誠昭
【レッスンプロ情報】
●奥嶋誠昭
1980年生まれ。ツアープロコーチ。アマチュアゴルファーからツアープロまで最先端機器を使ったバイオメカニクス(動作のコツを解析する)をもとに、ゴルファーの要望に合ったスイングづくりに定評がある。JGTOツアープレーヤー。2020―2021年国内女子ツアー賞金王、東京五輪銀メダリストの稲見萌寧など、数多くのトッププロ選手の指導実績を持つ。
【書誌情報】
『ゴルフ 当たる! 飛ばせる!スウィング解剖図鑑 イラストでわかる身体とクラブの正確な使い方』
著者:奥嶋誠昭
スウィングづくりやスウィングレッスンをテーマとする多くのゴルフ書は、写真、動画などの映像を使ってスウィング時の身体の動きを解説する。
その見せ方では、手や足、身体の動きや動かし方は表現できても、例えば「インパクトを感じる手の感覚」「インパクト時の足の感覚」といった、スウィング時の身体が感じる感覚までは伝えづらい。そこで本書では、スウィングで体感する手や足の感覚をイラストでできる限り具体化し、読者にその感覚をつかんでもらい、スウィングづくりの向上を目指す。著者は、スウィングの解析システムを駆使し、プロ、アマ問わず多くのゴルファーのスウィングを分析している奥嶋誠昭プロ。同プロ独自のスウィング動作をイラストを通して解剖、図解化し、ゴルフスウィングの上達に役立てる。
公開日:2023.11.17