SPORTS LAB
- スポーツを通じて美しくそして健康に -

  • HOME
  • SPORTS LAB
  • ゴルフに「未知との遭遇」はありません!【タケ小山のゴルフ超上達ノート】

ゴルフに「未知との遭遇」はありません!【タケ小山のゴルフ超上達ノート】

Text:タケ小山

ゴルフというのはただボールを打っているだけではダメで、どうやってプレーするかをよく考えないとスコアメークできません。これをマネジメントと言いますが、このマネジメントという奴はとても幅が広くて、どこにボールを打つかということだけではないんですね。たとえばゴルフ場に着いて、今日は河川敷だな、とか林間コースだな、などと考える時点で、すでにマネジメントは始まっているわけですよ。風が強いコースなら低い球でいこうとか、林に入れると出すだけになってしまうから、距離は捨てて方向性重視でいこうとか、その日の作戦を朝に立てるんですね。

また、未知との遭遇はダメだと自分を戒めるのもマネジメント。どういうこと かというと「やったことのないことはやらない」ということです。練習したことのないクラブやショットは本番のラウンドではまずできないからです。もしやれば想定外の事態が起こって、それこそ未知のスコアになってしまいます。要は自分の持っている力を100%出し切るのがマネジメント力だということです。実力が120%出るということはありません。自分のベストスコアが98だったら、その日も98が出せるのがマネジメント力なんです。いきなり78は出ませんが、マネジメント力が発揮できればベストを大きく更新することはあります。できないことはやらないと言いましたが、みなさん案外これができていなくて、まっすぐ打てないのにまっすぐ打とうとしていたりするんです。もしもあなたがスライサーで、10発打って9発は確実にスライスするのであれば、フェアウェイの右半分を捨てればいいんですよ。フェアウェイの左半分がゴルフ場だと思って打つ。

それでフェアウェイのセンターから右に入ったら儲け物だと思わなければなりません。9割がスライスの人が右のOBに打ったら、それはマネジメント力がゼロってことなんですよ。右に曲がるのがわかっていて、センターから右に目標をとっているということですからね。またダフリやすいライというのがありますが、そういう場所にボールがあるのがわかっているのに池超えにトライするのもやはりミスです。ゴルフ場には必ず逃げ道があって、どんな設計家でも必ず1つは逃げ道を作ってくれているものですから、それを見つけ出すのがマネジメントです。プロゴルファーもマネジメント力が大きな差を生むわけですが、日本オープンに勝っている選手はマネジメントが上手いといっていいでしょうね。青木功、尾崎将司、中嶋常幸といういわゆるAONは別格だと思います。この人がなぜ日本オープンの勝ち星が増えたかというと、海外に参戦して縦の距離感の重要性に気付いたからだと思うんですよ。

横の誤差ではなく、縦の誤差をなくすことでマネジメントに幅が出たんですね。いまは 人の時代に比べてグリーンの硬さが出てきましたから、アプローチのマネジメントは変わってきています。スピンよりも高さで止めるというプラスアルファが入ってきていますが、そういうコースセッティングの中で上手さが光るのは谷口徹選手でしょうね。プロアマにかかわらず、谷口選手のマネジメントは参考になると思います。兵庫県にゴールデンバレーという物凄くコースレートが高いコースがありますけど、このコースはフロントナインが右の山側がOBで左側が池になっていて、バックナインは逆に左が山で右が谷です。つまりほとんどのホールが片側がOBでもう片側が池なんですが、やったことのないプロゴルファーがここでプレーすると、緊張して両方に曲げるんです。

あそこでトーナメントをやったとき、ほとんどのプロが「こんなふざけたコースはない、両方ともペナルティじゃないか」と言いましたけど、アメリカでプレーしていた私から言わせれば、曲げるのなら間違いなく池のほうなんですよ。だって冷静に考えれば、OBは ペナルティなんだけれども、ティーイングエリアに戻って打たなければならないという「距離のペナルティ」もあるから大損なんです。ところがハザードは最後に入ったところにドロップできて、そこからペナルティだから距離のペナルティはないわけです。ドロップしたところから乗せればボギーで上がれるし、 パットだったらパーで上がれます。でもOBを打ってしまうと、打った場所と同じ場所から打たなきゃならないからアウトなんですよ。今でも予選会で使っていますけれども、そこで「両方がペナルティだからな」とか言っているプロは「俺、ルールを知らないんだよ」と言っているのと同じです。ルールを熟知する、というのも立派なマネジメントなのです。

【書誌情報】
『タケ小山のゴルフ超上達ノート 誰も言わない実戦的スコアアップ術』
著者:タケ小山

ゴルフスイングの習得に熱心になるあまり、スコアが二の次になっているアマチュア・ゴルファーが多い昨今。「残念ですが、こういう“スイング道”信者はスコアは作れない」と著者は言う。では、肝心のスコアメークの方法は? 本書では、ショット、アプローチ、パッティング、マネジメント、スコアアップの5項目でその方法を解説。2019年の新ゴルフルールの活用法など、具体例を上げて、わかりやすく紹介している。タケ小山流スコアの作り方が満載の1冊!

  • この記事を共有する!
芝山ゴルフ倶楽部 視察プレーのご案内