「お待ちしてください」の非礼
仕事の相手と打ち合わせ中に緊急の電話が入ったりすると、やむをえず中座しなければならないこともあります。当然、相手にひとことあってしかるべきです。しかし、
「ちょっとここでお待ちしてください」
では失格です。「お待ちする」は自分の行為をへりくだった言い方。相手に使ったら失礼になります。「して」がない「お待ちください」なら敬語として正しいのに、余計なものをつけたばかりに間違ってしまった典型といえます。「ちょっと」という表現もビジネスシーンでは気になる言葉。使わないほうがいいでしょう。
ここでは、
「恐れ入りますが、少々、お待ちいただけますか?」
「申し訳ありません。少々、席を外させていただきます」
が最適です。「お待ちいただけますか?」のあとに「すぐに戻ります」や、「席を外させていただきます」の前に「5分ほど」をつけて、待たせる時間を相手に告げておくと、こまやかな心配りが伝わります。
「くださいますか」と「いただけますか」
「お待ちいただけますか」は自分の受ける恩恵に焦点があり、申し訳ない気持ちがより伝わる言い回し。
【出典】『頭がいい人の敬語の使い方』著:本郷陽二
【書籍情報】
『頭がいい人の敬語の使い方』
著:本郷陽二
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公開日:2024.08.13