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3歳から性教育をするといいのはなぜ!?性について話し合える親子関係を築くには?【12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育】

Text:高橋幸子

3歳から性教育をするといいのは、なぜ?

3歳から性教育をするといいのは、なぜ?

世界の性教育の基準、ユネスコの「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」によると、性教育は5歳からといわれています。でも、興味をもったタイミングが一番話を聞いてくれるのではないでしょうか。

3歳くらいになると、言葉の意味もちゃんとわかってきて、理解することができるようになります。お父さんとお母さんの体の違い、ちんちんが気になる、おっぱいってなんだ?などと、体についての疑問をもつようになります。まだなんの先入観もない3歳くらいのときに、性についての正しい知識を教えることが大切です。

早いと2、3歳くらいで「赤ちゃんってどうやってできるの?なんでうちには赤ちゃんがいないの?」という疑問をもつ子もいます。お友達のところに、弟や妹が生まれたと聞いて、純粋になんでうちにはいないんだろうと思っての質問かもしれません。まずどうしてそれを知りたくなったの?と尋ねましょう。その理由によっては伝え方も変わってくるかもしれません。聞かれたら、はずかしがらず、慌てずに、科学的に伝えます。「科学的」にとはたとえば「女の人の体のなかに、赤ちゃんのもとがあり、男の人がもっている赤ちゃんのもとを、男の人のペニスを使って女の人の膣のなかに届けるんだよ。人間の場合は、性交っていうよ」といった伝え方です。幼いときこそ、「ふーん」で終わってしまうものですが、それで十分。聞かれたら、科学的な知識を答えることをくり返して、子どものなかに正しい情報を根づかせることが大事です。

小学生でも、スマホやパソコン、タブレットなどをひとり1台もつ時代です。ネットから、性に関する情報を得てしまうことが多いといわれています。その情報は残念ながら正しいことのほうが少ないのです。そんなときに、幼いときから性に関する知識をくり返し得ていれば、まちがった情報が入ってきても、自分で正しいものかどうかを判断できるようになります。

思春期になってから、急に親子で性について話すのは、とても難しいことです。素直に聞けないどころか、面と向かって親と話せない時期かもしれません。でも、小さいころから性に関する話をしていれば、親子でも話し合えるかもしれません。

保育園や幼稚園でお友達との交流のなかで、チューされた、ぎゅーしたと、親としてはドキッとする話を聞くこともあるかもしれません。当人は、おもしろかったというかもしれませんが、かわいらしい話として終わらせないこと。

もし家庭で性について話していたら、それが正しくないこと、ヘンだなと思っていいことと気がつく可能性が高くなります。性教育を小さいときから行なうことで、幼少期の子どもを性犯罪から守ることができるのです。

性犯罪の加害者は「パパやママには内緒だよ」「ヘンなことじゃないよ」などといって、隠そうとします。そこで子ども自身が、ヘンだ、おかしい、怖いと思い、ちゃんと大人にいえるようになると、被害を防げるかもしれません。

3歳の子どもに性教育といっても、何から伝えればよいかと悩むかもしれません。いきなり性行為とは?マスターベーションとは?などと話さなくて大丈夫です。まずは、プライベートゾーンについて伝えるのがわかりやすく、子どもも理解がしやすいでしょう。あと、イヤだと思ったら相手にハッキリと伝えてよいことも教えたいところです。3歳くらいならば、性教育についての絵本などを読み聞かせるのもよいですね。興味があれば、ちゃんと聞いてくれるでしょう。

家で性についての話をするときは、「おうちによって、考え方が違うから他の子には話さないよ」と伝えると、子どもながら分別をつけて、おうちではいっていいけど、外ではいわないと理解するようになります。

ONE POINT

3歳から性教育をするといいのは、なぜ?ONE POINT

【出典】『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』著: 高橋幸子

【書籍情報】
『12歳までに知っておきたい男の子のためのおうちでできる性教育』
著:高橋幸子

男の子の「気になっているけれど、面と向かっては聞きづらいこと」パパママの「どうやって伝えたらいいかわからないこと」にこたえます!これから思春期を迎える男の子、思春期の入り口に立った男の子が知っておきたい「性の知識」をわかりやすく紹介。マンガ・イラスト図解・全編フリガナつきの読み物で、子どもひとりでも、家族でも読める1冊です。学校では教えてくれない、パパやママも伝え方がわからない、
・これから起こる体の変化と対応法
・家族や友達との距離感が変化し、心にも変化が訪れたときの対応法
・SNSや友達同士の噂に惑わされないための正しい「性の知識」の身につけ方
・体と心の変化に困ったとき、悩んだときの相談先の見つけ方
などを解説。
性教育は子どもを守るだけでなく、子どもの自己肯定感をも高めることができます。誰しも体や心に「境界線」をもっていることを学ぶので、自分も人も大切にできる・人と心地よい関係を築けるようになります。著者は、産婦人科医のサッコ先生こと高橋幸子先生。全国の小学校・中学校で性教育の講演を行ない、子どもたちの多くの質問に答え続けている高橋先生の、科学的にわかりやすく伝えるコツも満載です。

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