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公的資金とはどんなお金なの?リーマンショックはなぜ起きた?【眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話】

Text:神樹兵輔

4:公的資金とはどんなお金のことなのか?

前項で解説の通り、日銀の甘い見通しの判断ミスによって、日本はバブル景気に狂奔します。しかし、暴騰した不動産や株式への国民の批判の高まりや、米国政府の不満を募らせたのでした。

米国には、せっかくドル安・円高に誘導したのに、米国製品の対日輸出は増えず、対日進出したくても高い地価を背景にした高家賃、高物価があり、日本独特の商習慣や網目のような規制が、高い参入障壁に映ったからです。米国の不満は無視できません。そこで政府と日銀は、今度は「バブル潰し」に乗り出すのでした。まるでマッチポンプです。公定歩合を急激に引き上げ(1989年5月から90年8月までに2.5%から6%へ)、金融機関へは不動産業者への融資を抑制する「総量規制」を実施、「地価税」の創設、「固定資産」への課税強化、「土地取引」の届け出制、「特別土地保有税」の見直し、地取得金利分」の損益算入繰り入れを認めない……など矢継ぎ早の規制強化を行います。結局このやりすぎのバブル潰しで、90年に入ると、見事にバブル経済は崩壊します。しかし、あとに残ったのは金融機関が抱える「不良債権」の死屍累々の山でした。地価も株価も高騰時から半値前後に急落すれば、借金で購入していた投資家は担保割れで借金も返せなくなります。

これ以降も株や不動産といった資産価格は下落していくので金融機関はますます不良債権を膨らませ、倒産の危機を迎えました。そこで金融機関を助けるかどうかの議論伯仲の末、税金で金融機関を助けようとなります。 これが 「公的資金」 です。2002年末までに計21行の金融機関に総額38兆円を注入し、救済していったのでした。

公的資金とはどんなお金のことなのか?【眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話】

日本銀行+政府⇒バブル潰しに乗り出す

バブル崩壊→企業倒産

企業の倒産が続くと銀行の不良債権が増える

銀行の倒産⇔多くの人が困る

・銀行の不良債権が増え続けると大変だ

・税金を投入して金融機関を助けよう!

バブル期に不良債権を抱え込んだ金融機関に対し、約38兆円もの税金を投入して救済することになりました!

【経済とお金の豆知識】

2008年世界的金融危機となったリーマンショックは、投資銀行リーマン・ブラザーズがサブプライムローン証券の損失拡大で資金繰りに窮するも、米政府が公的資金注入などの救済策を見送って起きました。

【出典】『眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話』著:神樹兵輔

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話』
著:神樹兵輔

経済社会は「価値の尺度」と「交換」に基づき、私たちの日常生活に大きな影響を与えています。歴史的に見れば、江戸時代の日本では貨幣経済が発展し、物々交換から現金取引への移行が進み、一方でアメリカは金融政策や税制改革を通じて市場の豊かさを維持しました。近年では目的に基づいた合理的な行動が新たな価値を生み出す一方で、非合理的な選択も経済に影響を及ぼしています。「眠れなくなるほど面白い図解プレミアム経済の話」では、こうした経済社会のカラクリを解き明かし、市場の豊かさや人々の価値観がどのように形成され、どのように経済活動に影響を与えるのかを探り、この知識を通じて読者が豊かで充実した生活を送る方法を見つける手助けを目指します。

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