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バスケの可能性を信じて、世界初の構造改革! 島田慎二チェアマン講演会で語られる「B.革新」とは?【バスケ】

世界初の「B.革新」! 島田慎二チェアマンが語る日本バスケの未来像!

9月24日、東京竹橋のパレスサイドビルでB.LEAGUEの島田慎二チェアマンによる講演会並びに交流会が開かれた。これはB3に所属する「徳島ガンバロウズ」の支援をしている株式会社メディアドゥの社員に向けて行われ、今後「オーナー企業」がどう改革に向かい合っていくのか、島田慎二チェアマンが語る「B.革新」に対して説明がなされた。

予定の時間をオーバーして丁寧に質疑応答にも答える、島田慎二チェアマンの情熱を大いに感じられる会となった。
(全2回中、1回)

 島田慎二チェアマン

年々人気が高まるバスケの現状

バスケは日本にきて100年経つが、野球やサッカーといったスポーツと比べると競技人口や集客の観点から遅れを取ってきた歴史がある。しかし昨年のワールドカップ、今年のオリンピックといった大きな大会での日本代表チームの奮戦など、年々注目が高まっている。B.LEAGUEは2016年の設立以来、その規模を順調に拡大し、コロナ禍で一旦は減少するも2023-24シーズン、入場者数は452万人、B3まで含めると515万人を動員するに至った。また売り上げは588億円、B3を含めると600億円を超える規模にまで発展してきている。

さらに、バスケが今後も注目を集めていくであろう根拠として、ファン層が若く、ファミリー層や女性に支持されていることが挙げられる。他のスポーツを例に挙げると、一般に野球ファンのコア層は60代、サッカーは50代と言われているのに対して、バスケのファン層の平均は35歳と若く、半数以上を女性が占めている。またSNSなどへの投稿にも熱心なアクティブユーザーが多いことも、バスケの注目が高まっていることに貢献していると言えよう。

 島田慎二チェアマン

プロスポーツ初の試み、「B.革新」

このような状況を背景に、島田慎二チェアマンが語る「B.革新」とはいかなるものなのだろうか。
まず大きな特徴として挙げられるのが、従来の昇格・降格制度の廃止である。30年前から実施されているサッカーのJリーグはJ1、J2,J3,と分かれていて、試合の勝敗によって昇格、降格がなされるというものである。Bリーグもこれに倣ってB1、B2、B3にわかれており、例えばB3のチームは試合に勝ち進めばB2昇格が叶うというものであるが、これを廃止し、試合の勝敗によってでは昇格できないというシステムに変更するというのである。

では何をもって昇格ができるのか? それは経営力である。チームが所属する都道府県でいかに集客力を発揮できるか、売り上げを記録できるか、それによって地域貢献ができているか、というビジネス面の物差しによって評価をし、存在価値が高まっているチームを上のカテゴリーに送るという仕組みを導入するとのことである。2026年より実施されるこの仕組みは、世界的に見ても初の試みであり、どのスポーツでも導入されていない画期的なシステムである。

現在のB1からB3までのカテゴリーを変更し、全体基準を引き上げた上で、「B.LEAGUE PREMIER」「B.LEAGUE ONE」「B.LEAGUE NEXT」の3つのカテゴリーとする。新リーグでは、クラブ経営を強固にするための事業投資を促進し、着実な成長と持続的な地域創生につなげることが重視されている。
具体的には「B.LEAGUE ONE」への入会条件は、売上高4億円、平均入場者数2400人。「B.LEAGUE PREMIER」への入会条件は、売上高12億円、平均入場者数4000人、そして試合会場としてアリーナ基準を満たすものを用意できるか、である。アリーナとはスタンド(傾斜がある階段状の観客席)に会場全集を囲まれた試合会場のことであり、現在よりも高水準の試合観戦ができるようにするため、「B.LEAGUE PREMIER」に所属するチームのホームコートはすべてアリーナ化を求めている。

地域のシンボルとして進められるアリーナ建設

アリーナになることで観客が味わう観戦体験の価値が飛躍的にアップする。臨場感が味わえるシートやホスピタリティはそのまま来場者増につながり、収益機会の拡大を生む。そしてそのアリーナの存在は、地域ごとにバスケの聖地となり、地域活性をさらに拡大することになる。現在、全国に次々とアリーナが建設され、確実に「B.革新」に向け動き出している。

例えば沖縄では、沖縄市に県内最大収容数1万人の「沖縄アリーナ」が2021年2月に竣工。群馬県では「オープンハウスアリーナ太田」が2023年4月に竣工。収容人数は5000人。佐賀県では「SAGAアリーナ」が2023年5月竣工。観客席は九州最大級の規模を誇る8400席である。

新アリーナ開業に伴い、クラブの収入源であるチケット売り上げは2倍以上となり、クラブを取り巻く経済環境は劇的に変化している。こうしたアリーナ建設の動きは民設民営や行政を巻き込んだりしながら、全国で拡大し続けている。

クラブ運営を強固にし、黒字化を推し進めることでクラブが潤う。そして継続した経営によってバスケに関わる人が潤う。観客の満足度を高め、地域活性化を促しバスケ人気を一時的なものでなく、国民的スポーツへと押し上げる。

「B.革新」とはビジネスオペレーションを軸に、ゆくゆくはアメリカNBAに次ぐ世界第2位のリーグになるまで、B.LEAGUEを発展させるという目的を持った改革なのであった。

 島田慎二チェアマン

(つづく)

資料提供・ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ
写真・天野憲仁
文・岩田裕介(ラブすぽ編集部)

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