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試合の命運を分ける! Bリーグが採用する「オンザコート」のルールとは?【バスケ】

Bリーグ採用の独自システム「1試合に出場できる外国籍選手」の人数制限

パリ五輪での日本代表の熱戦、NBAでの八村塁の活躍などによって、「バスケ熱」が高まっている日本。国内プロバスケリーグ、Bリーグも新シーズンが開幕を迎え、元NBA選手・渡邊雄太の千葉ジェッツ加入なども大きな話題となっている。『ラブすぽ』では、そんな今注目のBリーグについて、初心者が観戦するときにぜひ知っておきたいルールをご紹介。まずはBリーグが独自に規定する「オンザコートルール」から!

オンザコートルールとは、Bリーグが採用するシステムで、「1試合に出場できる外国籍選手」の人数制限を設定したもの。現在のBリーグではNBAでのプレー経験を持つ選手など、多くの外国籍選手がプレーしているが、これに「制限」を設けなければ資金力のあるクラブが実力のある外国籍選手を大量に獲得、出場させるリスクが生まれる。Bリーグの方針として「国内競技レベルの向上」は不可欠であり、そのために設けられたのが、このオンザコートルールだ。プロ野球における「外国人枠」と考えてもらえれば分かりやすいかもしれない。

2024‐25シーズン開幕時点でのオンザコートルールは以下になる。
■リーグ登録&試合エントリーの制限
外国籍選手3名+帰化選手1名orアジア特別枠選手1名まで

■試合出場の制限
1~4クォーター、延長を通じて
外国籍選手2名+帰化選手1名orアジア特別枠選手1名まで

ちなみに「アジア特別枠」とは中国、チャイニーズ・タイペイ、インドネシア、フィリピン、韓国、香港、マカオ、モンゴル、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム、インドの選手が該当し、彼らには「外国籍選手」とは別に1枠が確保されている。帰化選手はその名の通り、外国籍から日本国籍へ帰化した選手が該当する。

つまり、各クラブは最大で4名の外国籍選手と契約でき、そのうち試合に同時出場できるのは3名が上限となる。ただ、バスケットボールは1チーム5人で行うスポーツ。つまり、コートに出る選手の半数以上を外国籍選手が占めるケースもあるということ。

実はBリーグ開幕当初のオンザコートルールはさらに制限が強く、登録の上限は外国籍選手2名+帰化選手1名の計3名(当時はアジア特別枠はなし)。試合出場も1クォーター最大2枠までで、4クォーター合計で6枠まで(例:1クォーター2名→2クォーター2名→3クォーター0名→4クォーター2名など)しか使用できなかった。

このルールーが徐々に変更され、現在の形に落ち着いたのだが、実はルール変更時には「日本人選手の出場機会が奪われるのでは?といった反対意見もあった。事実、現在のBリーグでは各クラブがほぼ上限の外国籍選手を保有している。

一方で、人数制限の緩和は外国籍選手とマッチアップすることで、日本人選手のレベルが上がるメリットも生んだと言われている。開幕当初のルールでは、試合出場の上限が動意に2名だったため、各クラブは基本的に外国籍選手の枠を4、5番(パワーフォワード、センターといった高身長でゴール下を主戦場とする選手)に当てるケースがほとんどだった。しかし、制限の緩和により、1~2番(ポイントガード、シューティングガードといったスピードに長け、ゲームのコントロールを担う選手)に外国籍選手枠を出始め、他クラブの日本人ガード陣とマッチアップするケースが増えたのだ。

当然、「枠」をどのポジションに使うか、も戦術的に重要になってきた。これまでは「4~5番でプレーするビッグマン」が当たり前だった外国籍選手の起用に幅が生まれたことで、プレー自体もよりスピーディーに、エキサイティングになったのは間違いない。

たとえば、昨シーズンMVPを受賞した宇都宮ブレックスのD.J・ニュービルはまさにそんな選手。193センチと外国籍選手としては小柄ながら1~2番を主戦場とし、得点、アシスト、すべてにおいてリーグ最高勝率をマークした宇都宮の攻撃の中枢を担った。

現在のBリーグは、開幕当初よりも多国籍化が進み、試合自体の迫力も格段に増している。そして、そんな中でプレーする日本人選手のレベルも格段に上がっている。日本代表がパリ五輪で見せた奮闘も、Bリーグのレベル向上があってこそ。観戦の際には、日本人スター選手はもちろん、各クラブに所属する外国籍選手のプレーにも、ぜひ注目してほしい。

文・花田雪

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