自由に飛ぶための3つの舵と3つの方向【眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話】

自由に飛ぶための3つの舵と3つの方向

ピッチング、ヨーイング、ローリング

ここでは、飛行機が自由に空を飛ぶための、舵と方向の関係を簡単に調べてみましょう。

エルロン、エレベーター、ラダーの3つの舵は、3つの方向と密接な関係にあります。 水平尾翼の役割はピッチング(縦揺れ)に対する安定、垂直尾翼の役割はヨーイング(偏揺れ)に対する安定です。

また主翼が上に少し反っていて(上反角といいます)、 ツバメのように後ろに反っている(後退角といいます) のは、ローリング(横揺れ)横滑りなどを防ぐためもあります。

これらの3つの方向に舵を取るには、重心位置を中心に回転させればよいことになります。その回転させる能率をモーメントと呼び、

力×距離

と表します。小さな力でも回転の中心から距離があれば、大きな力を発揮できます。単位は仕事をする能力のエネルギーと同じですが、モーメンは仕事をする能率と考えることができます。

そして、3つの方向に回転させるモーメントをそれぞれ、ピッチング・モーメント、ローリング・モーメント、ヨーイング・モーメントと呼んでいます。

主翼、水平尾翼、垂直尾翼の3つの翼で、安定して真っ直ぐ飛べる、ということはそのバランスをうまく崩すことで、自由に飛べることになります。実際、鳥は旋回する時は翼を巧みにひねることにより、 翼の反り具合(キャンバ)を変え、 左右の揚力のバランスを崩して方向を変えています。

ライト兄弟の飛行機は、鳥をまねて翼端をひねることによって、方向を変えていました。しかし、その方法だと操縦するには難し過ぎたようです。

3つの舵と3つの方向

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』著:中村 寛治

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 飛行機の話』
著:中村 寛治

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