『伝授』第13回 競馬に対する考えを伝授

競馬好きと一言で言っても、馬券が好きな人もいれば、馬が好きな人もいる。特定の騎手を応援する楽しみ方もあれば、写真だけを撮るために競馬場に来る人もいて様々だ。俺の競馬に対する考えは国が認めているギャンブルというだけで、他の要素に興味はない。
そんな俺が競馬を知ったのは高校1年の時だった。

・俺が競馬と出会ったキッカケ

高校生の頃、最寄りの駅からみんな学校まで歩いて行くけど、俺はだいたいタクシーで通っていた。タクシーを待っていると、同じくタクシーで通う同級生で競馬の話をよくするヤツがいた。初めはクラスも違って名前も分からなかったけど、だんだん仲良くなって、それがキッカケで競馬を見るようになった。
二十歳を超えて、競馬場に行って馬券を買ってみて、当時はそれほどお金を持っているわけじゃなかったけど、たとえ少額でも馬券が当たったことが楽しかった。競馬は公営ギャンブルなので誰にも咎められない。若い頃はお金を持ってないから、馬券で儲けたいという気持ちが強かった。
ただ、最初から競馬の結果の多くは偶然に左右されると思っていたので、しっかり研究したことはない。未来のことを予想するのに過去を引きずり出すのはどういうことか。偶然当たった人が「どうだ!?」と言って、周りの人が「すごかったね」と返す。それでいい。
俺がパドックを重視するようになったのは、競馬を始めた頃、競馬場に一緒に行っていた仲間たちがパドックから動かなかったからというだけ。

・馬券が外れて落ち込むことはない

俺らの若い時代は、給料が手渡しの時代だったから、その週で使ってしまう人はたくさんいたし、それが日常茶飯事だった。その後の生活は、ご飯を食べる分だけ残して、次の給料日まで生きていければ良い。
ちなみに馬券を外して落ち込むことはない。「これは使っちゃいけない金だったのに」と言う人がいるけど、「偽札じゃなきゃ使えるだろ」と思う。偽札は使っちゃいけないし、盗んだ金や法に触れる金もダメだけど、そういう悪い金じゃなくて、自分で働いて得た金だったら、使っちゃいけない金なんてない。競馬で負けてなくなってしまってもまた働けばいい。

・馬券で負けて仕事をしろ!

みんなの理想は仕事をしないでも馬券の勝ちで生活できることか?
まあ、そんな思いを持っているから目先のレースで千円を五千円にしようとする。
ただ、現実は多くのヤツがギャンブルで稼ごうと思っても負けてしまい、またギャンブルで取り返そうと繰り返しているだけの話。
昔から俺が言っているのは「馬券で負けて仕事をしろ」ということ。
もし馬券で儲けたら仕事を辞めてしまうから。
仕事で得た金で馬券を買って競馬を楽しんで、また仕事をして。それを繰り返して楽しめばいい。

・海外競馬は買うこともある

今は日本にいながら、海外競馬のレースを買うことができるようになった。
海外競馬のためにわざわざ変な時間に起きていようとかいう気はないけど、たまたま起きている時間にやっていると買うこともある。
最近では、たまたま見ていた去年の凱旋門賞の時に、パドックを一周見て気に入った馬が2頭いた。そのうちの一頭、ブルーストッキングが凱旋門賞を勝った。もう一頭は全く人気がなくて6着か7着くらいだった。日本馬ではシンエンペラーが3番人気になっていたけど、個人的に厳しいと思ったから買わなかった。
テレビでは解説者が見解を述べているけど、普段見ていない馬のウンチクなんてアテにならないから、読者の皆さんには自分なりにパドックで良く見えた馬を買うことをお勧めする。

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