世界に脱原発を意識づけた福島の事故
2011年の東日本大震災時に起きた福島第1原子力発電所事故後、日本ではすべての原発を停止しました。現在は5基が再稼働しています。
世界で原発が増えていったのは、1972年に起きたオイルショック以降です。石油だけではエネルギーがまかなえず、原発に頼らざるを得ない状況になりました。
しかし1979年のアメリカペンシルバニア州スリーマイル島、1986年の旧ソビエト連邦で起きたチェルノブイリ原発事故で世界に脱原発の動きが広まります。
スウェーデンは現在、一部で原子力に頼っていますが、スリーマイル島事故当初は脱原発の方針を決定、チェルノブイリ事故以降はイタリア、ベルギーが原発の凍結もしくは新規建設の禁止を法律化しました。
アメリカは原発を推進
福島原発事故以降に脱原発を決定したのはドイツ、スイス、台湾、韓国です。一方、アメリカでは世界で最も多い99基が稼働しており、トランプ大統領は「クリーンで再生可能なエネルギーである原子力の再興と拡大」と演説で発言しています。
フランスでも58基が稼働し、総発電量に占める割合は約76%となっています。
オランド前大統領政権時には2025年までに50%に縮減する方針をあげていましたが、現在はこの目標時期を5年以上延長する方針を発表しました。
世界中で原発に変わるエネルギーの供給が求められるなか、原子力に頼らざるを得ないところがあるのも事実です。その政策は、各国、急ピッチで議論されています。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 地政学の話』
著:荒巻 豊志
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公開日:2020.11.17