最も直線が短い競馬場で行われるダートグレード最長距離レース
12月10日に名古屋競馬場で行われる交流重賞「名古屋グランプリ」。
国内のダートグレードのなかで、もっとも長い2500mで争われる。
しかも、名古屋競馬場は直線が194mと、国内の競馬場でもっとも短い。2500mという距離だとコーナーを8回も回るため瞬発力よりも、かなりのスタミナが要求されるコースとなっている。
これまで降雪で中止した2005年を除き、過去18回開催されているが、地方所属馬が勝ったのが第1回ミツアキサイレンスのみで、連対(2着)したのも1回のみ、3着に入ったのも通算3回のみと、かなり地方所属馬に分が悪いレースとなっている。
しかし、昨今のダート交流重賞は地方競馬場の財務が改善され、賞金などがアップしている状況にある。地方重賞へ出走するために、現役バリバリでJRAから地方へ転厩する馬も多く、3着以内がJRAのみで決まることも少なくなってきている。
今年の出走メンバーを見ると、JRA勢のダートグレードで実績があるのは、ミツバ(2019年川崎記念勝馬)、マスターフェンサー(交流重賞2連勝中)、ロードゴラッソ(ダートグレード2勝)の3頭で、残りの2頭はそこまで実績がない。
地方所属馬に目を向けると2016年にチャンピオンズカップを勝ったサウンドトゥルー、ホッカイドウ競馬で実績を残してきたシンボなども控えているため、地方所属馬による久々の連対馬誕生の可能性があるかもしれないメンバー構成だ。
また、ここを勝ってGⅠ馬となった馬も多く、先日のチャンピオンズカップでクリソベリルを負かし、JRAのGⅠを初めて勝ったチュウワウィザードも、名古屋グランプリが初ダートグレード制覇であった。
そこで、2011年にこの名古屋グランプリを勝ってGⅠ馬まで上り詰めた1頭をご紹介しよう。
二ホンピロアワーズ
ホワイトマズル産駒。デビュー3戦目に初勝利を挙げてから、着実に実績を積み上げて4歳でオープン入りを果たす。
オープン入り後は、なかなか勝ちに恵まれないなか、暮れの交流重賞「名古屋グランプリ」で初重賞制覇を遂げる。
翌2012年の5歳時には、ジャパンカップダート(チャンピオンズカップの前身)を制覇しGⅠ馬となる。
2015年で引退し種牡馬となり、2019年に地方重賞を勝ったミステリーベルンを輩出するなど、これから種牡馬としての活躍も楽しみとなっている。
今年もチュウワウィザードや二ホンピロアワーズのような、後のGⅠ馬となる馬が誕生するのか?
発走は、12月10日 名古屋競馬場 11レース 15:45発走予定。
公開日:2020.12.09