筋肉をバランスよく鍛えることも重要
筋肉は、やわらかくゆるんだ状態が本来の姿で、よく伸び、よく縮みます。一方、体がゆがんでいると緊張して、硬くなったり張ったりします。骨格筋にはそれぞれ必ず対になる筋肉が存在し、一方を主動筋、反対を拮抗筋とよびます。主動筋が縮むと拮抗筋は弛緩し、主動筋が弛緩すると拮抗筋は縮むというように、向かい合って相反する運動を行っています。この、拮抗する筋肉もバランスよくついていないとゆがみにつながりやすいのです。腹筋だけ鍛えている人のなかには、腰痛に悩まされている人も少なくありません。これは背筋を鍛えていないため、無理に上半身を起こそうとして骨盤が回転し、結果、ゆがみから腰痛を招いているのです。バランスよく筋肉を鍛え、筋力を高めることは、ゆがみ防止の大切な要素です。
筋肉のしくみ
●筋肉はタンパク質のかたまり
筋肉には、骨格に付着して骨を動かす骨格筋と、内臓を形成する平滑筋、心臓を動かしている心筋の3種類がありますが、一般に筋肉という場合にはおもに骨格筋をさします。筋肉は分解と合成を行っており、筋肉を合成するためには、タンパク質の分子であるアミノ酸が必要です。タンパク質をとらないと、筋肉は分解されるばかりになるので、毎食、一定量のタンパク質を摂取することを心がけましょう。
●筋肉の弛緩と収縮
筋肉がゆるむことを弛緩、力が入って縮むことを収縮といいます。関節を曲げたとき、曲げた内側の筋肉は収縮していますが、一方で、曲げた外側の筋肉は弛緩しています。骨格筋では、このように動作を行うときに働く主動筋と、反対の動きをする拮抗筋が対になっています。
筋力が衰えると体にさまざまな影響が起こる
・寝たきり
・腰痛
・肩こり
・疲れやすい
・やせにくい
・冷え性
・体形がくずれる
・転倒しやすくなる
・日常動作に支障をきたす
・基礎代謝量の低下
【書誌情報】
『ゆがんだ「背骨」の整え方』
著者:栗原隆 「栗原隆ウェルネスクリニック」院長
医師・医学博士。日本医師会認定産業医・健康スポーツ医
体のゆがみの多くは、姿勢や行動のクセによって起こります。肩こりや腰痛だけでなく、不定愁訴や内臓疾患の原因になっているかも。そんな体のゆがみを治す、簡単な体操を紹介する本です。メインはハイハイ体操。一日5分、赤ちゃんみたいにハイハイするだけ。背骨まわりの筋肉のバランスが整い体のゆがみが改善します。肩こりや腰痛などの痛み、猫背やそり腰、おなかぽっこりなどの見た目、冷えや不眠、生理痛などの不定愁訴が改善。それ以外にも、正しい歩き方や組み合わせる体操などを紹介しました。自分のゆがみをチェックして、さっそく始めましょう。
公開日:2021.02.07
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