ライブ版「みんなで創るきこえのミライ」、大阪で開催





■「リスニング・エフォート」と「リスニング・ファティーグ」の定義
リスニング・エフォートとは、聞き取りが難しい状況において、注意・集中を高めたり、聞き取れなかった内容を推測したり、聴覚以外の認知機能も総動員して話を理解するような行為を意味します。聴覚障害のある方の場合、たとえ聞き取りの成績が良かったとしても、リスニング・エフォートが高い状態にあり、聞き取りだけではなく、様々な活動への影響が生じていると言われています。詳しくは茨城大学の下記Webサイトをご参照ください。
https://www.ibaraki.ac.jp/news/2023/11/13012149.html
リスニング・エフォートには様々な要因が影響を及ぼし、大きく分けると1.個人の要因、2.環境の要因、3.モチベーションに整理されます(図1参照)。この中でも注目したいのが、本人が「聞きたい」と思う話に対して、つまりモチベーションが高い状態ではエフォートも上がるということです。これはポジティブな意味でのエフォートと捉えることができます。リスニング・エフォートは必ずしも悪いものではなく、個人あるいは環境からの聞き取りづらさに伴って生じるネガティブな側面と、聞きたいというモチベーションに伴って生じるポジティブな側面があわさった考え方であり、本人が置かれた状況や文脈を踏まえた評価・支援を提供していく必要があります。本イベントでは、リスニング・エフォートと、それにより生じる、リスニング・ファティーグにもフォーカスしています。リスニング・ファティーグは頑張って聞き取りを続けた結果生じる疲労感を指しています。
図1 リスニング・エフォートに影響を及ぼす3つの要因
■2023年に配信開始したオンデマント動画配信プログラム「きこえのミライ シーズン1」
現在オーティコンYouTubeチャンネルにて、無料配信中です。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLKB6L7jIfYfWbUXK3NNE3MlsyudEWiuzr
■2024年に配信開始したオンデマンド動画配信プログラム「きこえのミライ シーズン2」
現在オーティコンYouTubeチャンネルにて、無料配信中です。
https://www.youtube.com/playlist?list=PLKB6L7jIfYfVpZetF7HZudKbGCWBAnxaT
■茨城大学について
茨城大学は1949年創立の地方国立総合大学です。茨城県水戸市・日立市・阿見町に主要なキャンパスを有し、人文社会科学部・教育学部・理学部・工学部・農学部・地域未来共創学環の5学部1学環と大学院4研究科で構成。東南アジア・南アジアとのネットワークを活かした「総合気候変動科学」の確立、「スチューデントサクセス」を掲げた学修者本位の教育マネジメントなどを特徴としています。
■茨城大学教育学部障害児生理学研究室について
障害児生理学研究室(通称:生理研)は1977年に茨城大学教育学部に設立された研究室で、現在は勝二博亮教授と田原准教授が運営しています。生理研では、様々な障害児・者の感覚・認知機能をさぐるために、生体機能計測(脳波、事象関連電位、近赤外線分光法(NIRS)、筋電図、眼球運動、心拍、その他の行動指標など)を行い、エビデンスにもとづいた教育支援方法の開発を目標として研究活動に取り組んでいます。特別支援教育分野でこのような研究を実施している大学は限られており、最近では関連領域の中で歴史と権威のある日本特殊教育学会や日本聴覚医学会にて、研究奨励賞(3件)、実践研究賞、フューチャーリサーチアワードを受賞するなど、精力的に活動しています。
■岡山大学について
岡山大学は10学部7研究科1プログラム4研究所、大学病院そして附属学校園を擁する国立大学法人です。1870年に創設された岡山藩医学館を起源とする岡山医科大学をはじめとする伝統と優れた教育研究実績を誇った高等教育機関群を統合して、1949年、新制国立大学として設立されました。「高度な知の創成と的確な知の継承」を建学の理念として掲げており、「地球と生態系の健康(Planetary Health)」の実現に向かって、地域と地球の「ありたい未来の共創」に貢献することを使命とし、その使命達成のため「岡山大学長期ビジョン2050:地域と地球の未来を共創し、世界の革新に寄与する研究大学」を新たに掲げて、地域・世界の多様なステークホルダーとの新たなつながりを深めています。
■岡山大学病院 聴覚支援センターについて
聴覚支援センターは、聴覚障害児・者の医療での限界を教育や開発、福祉と繋げることを目標に、多職種で連携を行う部署として設立されました。現在はセンター長を前田嘉信病院長が担当し、センター長補佐として耳鼻咽喉科医の片岡祐子准教授が運営し、子どもから成人、高齢者までの幅広い年齢層の当事者が活躍できる社会の実現を目指しています。2022-2024年度、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)研究として、緊急時・災害時の情報授受のアプリの開発やウェブサイトでの情報発信を手掛けてきました。また、教育的支援に関して、オーストリア、エッセル財団の主催する世界のバリアフリーに向けた国際賞「Zero Project Award 2024」のファイナリストに選出され、活動を広く発信しています。
■オーティコン補聴器について
オーティコン(Oticon)は、1904年にデンマークで創設された補聴器業界におけるパイオニアです。
企業理念として「Life-changing technology(ライフチェンジング テクノロジー)」を掲げ、難聴による制限のない世界の実現を目指し、製品開発と聴覚ケアの普及に取り組んでいます。オーティコンは補聴器業界で唯一、聞こえと脳に関する基礎研究所を擁するメーカーであり、そこに在籍する聴覚学、脳神経科学、電子工学など様々な分野の研究者と、13,000人以上のテストユーザーによって、常に先進的で革新的な補聴器テクノロジーが生み出されています。オーティコン製品の最大の特徴は、脳から聞こえを考える「BrainHearing(TM)(ブレインヒアリング)」というアプローチです。「耳に音をどう届けるか」だけではなく、「脳が理解しやすい音を届けるにはどうするか」に着目した製品群は、第三者機関による確かなエビデンスに支えられ、世界100カ国以上で使用されています。日本でも1973年より補聴器の製造・販売を行っています。
■エリクスホルム研究センターについて
エリクスホルム研究センターは補聴器業界で唯一の独立した研究機関として1976年に設立され、聴覚ケアの世界的リーダーであるオーティコン社に属しています。当センターでは、5年から10年に渡る未来を見据えた長期的な研究を実施し、基礎研究の成果をイノベーションや新技術に応用し、補聴器製品開発に反映させています。当センターの基礎研究により、オーティコン補聴器の「ブレインヒアリング」が生まれました。また、世界有数の学術研究機関や医療機関と共同研究を進め、聴覚分野の新しい発見を目指す活動を行っています。研究開発の重点分野として、現在、オーディオロジー(聴覚学)の個別化、認知聴覚科学、意図の解釈、人工知能(AI)の4点を掲げ、日々未来の聴覚テクノロジーにつながる研究開発が行われています。
■デマントグループについて
デマントは、1904年にデンマークのオーデンセで補聴器の輸入商から始まり、のちに補聴器の製造や診断機器事業へと参入していきました。現在、世界130カ国以上でビジネスを展開しています。デマントは2つの点で世界唯一の企業です。第一に聴覚ヘルスケアにおける全ての分野をカバーしていること、第二に慈善財団(ウィリアム・デマント財団)が所有する聴覚ヘルスケア企業であることです。全デマントグループ22,000人以上の従業員とともに、聴覚ヘルスケアや聞こえの改善の研究、製品開発を行っています。
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