「空に浮かぶ日本画」──幻のKH波雲、その正体とは?【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】


KH波雲

KH波雲[KHはうん] fluctus flu
別名[浪雲・キャッツアイ] 遭遇チャンス:★
すじが日本画の波のように
上下方向の風速差が大きく、上側でとくに強い風が吹いているときは、ケルビン-ヘルムホルツ波(KH波)と呼ばれる上下方向の風の波ができます。 上側の波頭は、強風に流されながら次第に前のめりになり、日本画の波のようになります。
KH波そのものは、空気のふるまいなので目には見えません。たまたまそこに雲があると、雲によって空気の流れが可視化されるのです。
もっと波頭が巻くと猫の目のような姿に
KH波が発達し、波 頭がかなり巻いています。さらに巻くと、「猫の目」を連想させる姿になりますが、このときは、これがピークで崩れてしまいました。
【出典】『最新の国際基準で見わける 雲の図鑑』著:岩槻秀明
【書誌情報】
『最新の国際基準で見わける 雲の図鑑』
著:岩槻秀明
季節ごとに見られる雲やレアな雲、気象予報の役に立つ雲など、科学的な観点から見る雲に加え、雲海や霧など景色として楽しめる雲まで解説する雲図鑑です。
この記事のCategory
オススメ記事

空に広がる放射のアート「放射状雲」が見せる景色の正体とは?【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

あたたかい雨と冷たい雨、何が違う? 異なるプロセスで降ってくる雨の仕組み【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

“空に浮かぶミクロの結晶” 雲はなぜ落ちてこない?【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

空に羽ばたく「羽根雲」まるで鳥の翼のような神秘の雲現象とは!?【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

美しい形を見つけたらラッキー? 空を飾る「かぎ針型の雲」の正体【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

雲はチリから生まれる!? 図でわかる雲発生の仕組み【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】

すべての雲は10種類に分類できる!? 国際基準に基づく雲の世界【最新の国際基準で見わける 雲の図鑑】
