毒針に注意! 刺されるとすごい腫れる[イソギンチャクの毒]【眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話】

毒針に注意! 刺されるとすごい腫れる[イソギンチャクの毒]
地味な見た目の最凶生物
イソギンチャクもクラゲと同じ刺胞動物の仲間で、そのうち最も強力な毒を持つとされるのがウンバチイソギンチャクです。体の表面は1~2mmの刺胞球に覆われ、これを発射することで獲物に毒を打ち込みます。名前の「ウンバチ」は「海の蜂」が由来。刺されたときに激痛が走ることからの連想です。
大きさは直径10~20cmほどで、普段は岩やサンゴなどに付着しています。ところが擬態の名人でもあり、岩そのものや、あるいは岩にまとわりついた海藻と一見して見分けがつきません。そのため海水浴やシュノーケリングの際に、気づかず触れたり踏んだりしてしまうことがあります。そうなったら一大事です。
毒針に刺されると激痛が走り、火傷のような患部の腫れに苦しむことになります。死に至ることはまずありませんが、毒性が極めて強いため、重症のケースでは患部が壊死したり呼吸困難に陥ったりすることもあります。
万が一、ウンバチイソギンチャクに刺されたときの応急処置はカツオノエボシと同様。海水で刺胞を洗い流して、速やかに病院で治療を受けましょう。このとき真水や酢が厳禁なのも、カツオノエボシに刺されたときと同じです。未発射の刺胞をできるだけ刺激しないようにすることが肝心なのです。
擬態の名人 ウンバチイソギンチャク
ウンバチ=海の蜂
岩や海藻に擬態しているため、つい触って刺されてしまう。
刺されたら患部を海水で洗う
刺された傷は火傷のようになり、腫れやかゆみが数カ月続くことも。
患部を真水や酢で洗うと、刺胞を刺激するので危険。海水で洗い流すようにする。
・海水:〇
・真水・酢:✕
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話』監修:船山 信次
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 毒の話』
監修:船山 信次
日常生活のなかで、毒性のあるものを誤食したり、毒を持つ生物に触れたりして中毒症状が出たというケースは少なくありません。
スイセンやキノコの誤食など毎年のように発生しており、毒は非常に身近な存在です。
本書はまず毒とはなにかという毒の定義や作用などの基礎を化学や薬学の知識がない人にもわかりやすく解説。
例えば「地球上で最凶の毒は?」「青酸カリって舐めても大丈夫?」など、気になる毒の雑学とともに紹介します。
また、毒を持つハチ、カエル、クラゲなどの生き物やスイセン、アジサイ、トリカブト、カエンタケなどの植物やキノコ、アスベスト、ダイオキシン、火山ガスなど環境系の毒、
依存度が高いコカイン、危険ドラック、覚せい剤などの麻薬……etc.
人体に影響を及ぼすあらゆる毒を収録!
誰かに教えたくなる毒の最新知識や雑学が詰まった一冊です。
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