49歳249日でのオールスターMVPはギネス記録! 元選手で現レバンガ北海道オーナー社長、折茂武彦氏!
開幕9シーズン目を迎えた国内プロバスケットボール・Bリーグ。今やその人気はプロ野球やJリーグといった“メジャースポーツ”にも引けを取らないレベルまで到達し、強豪クラブのチケットは入手困難になるほど。パリ五輪での日本代表の活躍、河村勇輝選手のNBA挑戦など、日本でも“バスケ熱”が高まっていますが、今回の『ラブすぽ』ではそんな日本バスケ界、Bリーグの黎明期を支えた「レジェンド」をご紹介します!
その選手の名前は、折茂武彦――。現在、B1東地区に所属するレバンガ北海道の代表を務める折茂氏は1970年生まれの54歳。祥尼栄高校から日本大学、トヨタへと進み、正確な3ポイントを武器に主力として活躍。日本代表として世界選手権など、多くの国際大会を戦ってきました。
2007年、折茂選手は長年所属したトヨタから、この年設立されたレラムカイ北海道(現レバンガ北海道)へ移籍。2010年にはJBL史上初の通算6000得点をマークするなど、40歳を間近に控えても衰えぬプレーでチームを牽引。
その後、チーム名が現在の「レバンガ北海道」に変わり、Bリーグが開幕した2016‐17シーズンも46歳ながらコートに立ちました。2019年1月5日の三河戦では、JBL、NBL、Bリーグを通じて国内トップリーグ日本人選手初となる通算10000得点を達成。翌2019‐20シーズン、コロナ禍によるシーズン打ち切りを最後に49歳で現役を引退しましたが、同シーズンのオールスターにも出場し、14得点を挙げてMVPを受賞。49歳249日でのオールスターMVPはギネス記録に認定されています。
現役引退退後には背番号9がチームの永久欠番になりましたが、特筆すべきは残した実績や49歳まで現役を続けたことだけではありません。
2011年、レラムカイ北海道の運営会社が除名処分を受けたことをキッカケに、自ら一般社団法人を設立し、同時にレバンガ北海道も創立。折茂選手はチームの理事長に就任し、異例の「選手権代表」として現役引退までプレーを続けました。
コート上ではチームの戦力としてプレーしながら、オフコートでは運営はもちろん、自ら足を運んで営業活動も行ったという折茂選手。クラブ経営自体も、決して順風満帆ではありませんでした。クラブ発足直後は黒字化のめどが立たず、資金繰りに追われた日々を過ごしたと言います。それでも、Bリーグ開幕による追い風などもあって、経営は徐々に好転。コロナ禍というイレギュラーを除けば、クラブは現在黒字経営を続けています。
また、経営難で一時、新たなオーナーを迎え、自身は「雇われ社長兼選手」としてプレーしていた時期もありましたが、引退後に経営に専念するとクラブの株式を買い戻し、現在はオーナー社長に。
現在も2026‐27シーズンからスタートする『Bプレミア』参戦に向け、クラブ経営に尽力しています。
選手としてだけでなく、社長として、そしてオーナーとしてレバンガ北海道を支え続ける折茂武彦氏。まさに「レジェンド」と呼ぶにふさわしい人材と言えるでしょう。
文・花田雪
公開日:2025.02.05