予想の入り口覚えておきたい「セット舟券」のパターン
出走表の見方を覚えたら、今度は、どの情報を、どのように読み解けば、舟券的中に近づけるのかをご紹介。さらに、レース展開の基本パターンである〝3コースのまくり(差し)〞が決まったときに相手に来やすいコースも覚えましょう!
ボートレースの予想に欠かせない「風の状態」もチェックしよう!!
風の状態を把握することは本当に大事なこと!まずは、どんな影響があるのか説明しましょう。水面の上をあの不安定なボートで走るわけですから、風の強弱はかなり影響することは想像に難くないはずですよね?まずはホームストレッチ(スタートのときに走る手前の直線コース)が追い風のときを考えてみましょう。
追い風が吹くとレーサーは後ろから風で押される状態になるわけですから、1マークのターンが流れやすくなります。なので、追い風になるとまくりで攻める3コースはターンが流れて攻めづらくなります。このことはレーサーもわかっているので、追い風のときはターンが流れないようにスピードを落として1マークを回るので、まくりが決まりにくくなります。
その逆に差しの作戦を取ることが多いコース、つまり2コースとか4コースが比較的有利になると言われています。特に私がよく行くボートレース住之江は、3メートルぐらいの追い風だと、感覚的に2コースを狙いたくなります!とはいえ、みんなが比較的スピードを落としてターンする裏をかいて、目一杯レバーを握って回ってまくり(ツケマイ)を狙う選手がいることもあります。
決まる可能性はけっして高くはありませんが、風に強い選手が3コースにいるときは、人気の1号艇をまくった3号艇が1着で高配当決着になることもないとは言えません!あとはスタートも風の影響を受けるということを解説しましょう。追い風の場合は後ろからの風に押され、無風時よりもボートが速く進むので、スタートラインに到達するタイミングが早くなります。
つまりフライングのリスクが高まるので、フライングを持っているレーサーは普段よりもスタート勝負することが難しくなります。逆に1マークを回ってバックストレッチ(ホームストレッチの反対側)になると今度は向かい風になるので、2マークは比較的ターンしやすい状況になります。追い風のときは基本的に全てのコースが乗りにくくなるので、結果的に外コースの攻めが弱くなりイン逃げが多くなる傾向にありますが、差しの一撃があるのか? イチかバチかのまくりで攻める選手がいるのか? といったことを予想して舟券を買うこともボートレースの醍醐味です。
ホームストレッチで向かい風が吹いているときは、センターから外のまくりが決まりやすいと考えるのがセオリーです。スタートするときに風がボートに対して向かってくるので、助走距離の長いダッシュ勢がスタートスピードに乗りやすいのに対し、スロースタートのボートは助走スピードがつきにくいので、スタート後にスロー勢が遅れてまくりが決まりやすいというわけです。また、向かい風が強ければ強いほどスロー勢はスタートを決めにくいと言われています。
まくりが決まりやすい理由は1マークをターンしたあとも鋭角に戻ってきやすいということもあります。そして、向かい風のときの課題は2マーク!1マークが向かい風のときは2マークは追い風となり、こちらは差しが効きやすくなります。レース場によっては2マークで逆転の可能性が他の場より大きいところもあります!風速を気にするのは4m~5m以上からとお考え下さい。3m以下ならインコースも普通に走れるので、1号艇の逃げを最優先にお考え下さい!
風の重要性をご理解いただけましたか?レース場にもよりますが、海水のレース場は4m~5mぐらいの風で水面に影響を与えます。淡水のレース場は2m~3mの風でも影響が出てくると覚えておいてください。
レース場にいる場合は自分の身体で風を感じることができますが、自宅や出先で舟券を買う場合は、そのレース場のYouTube配信を見るのがいちばん! リアルタイムの風情報を見ることができます!もちろんホームページにも風情報は出ていますが、その情報はリアルタイムより少し遅くなってしまうので、やっぱりYouTubeライブをオススメします!!
ボートレースのヒント
『2マークで逆転の多いレース場はどこ?』
淡水のレース場の中でも住之江、尼崎は特に2マークで逆転が多いイメージがあります。選手ではない僕らにはわかりませんが、この2つのレース場は淡水独特の硬さがあるようで、レーサーには水面が硬く感じられ、スタートした後やターンした後の引き波が残りやすいのと、2マークが狭いという点で、2マーク逆転の余地が大きいのでしょう。
逆に海水のレース場は乗りやすいと言われ、2マークで逆転の印象は薄めですが、海水のレース場の中でも徳山は第2ターンマークの場所が独特なので2マークの逆転が多く見られます! どう独特なのかというと、1マークよりバック水面側にズレているので、走る位置が難しいと言われており、2マーク最後まで諦めずに応援したいレース場です。
【出典】『究極のボートレースガイドブック』著:西野精治
【書誌情報】
『究極のボートレースガイドブック』
著:西野精治
近年、コロナ禍の影響もあり公営ギャンブル市場は毎年のように売り上げを伸ばしています。スマートフォンの普及で手軽に参加できることもあり、今やバブル期の売り上げを上回る状況となっています。この公営競技の中でも最もファンや売り上げを伸ばしているのがボートレース(競艇)。公営ギャンブルと言えば中央競馬(JRA)を思い浮かべる人が多いはずです。たしかに昔から競馬ファンは多く、馬券の売り上げが全公営競技の中でダントツに大きかったのですが昨今は状況が変わりつつあります。ボートレースの人気は急上昇、舟券の売り上げは2兆4142億円(2022年度)と約3兆円の中央競馬に肩を並べるまでになっていて、新規のボートレースファンが増加していることを示しています。とはいえ、初心者にはどうやってボートレースを予想していいのかが分からないのも事実。最初は誕生日とか好きな番号、好きな色、カッコいい選手などの理由で舟券を買うのもありですが、ずっとそのレベルではボートレースを本当に楽しめているとは言えないでしょう。本書はその域を脱して「選手の実力」「有利なコース」「レース展開」「モーターやボートの性能の見極め」などを知ることによって、「自分でレースの予想、推理」ができるようになることを伝授する1冊です。著者の永島知洋氏は「ボートレース楽しむプロ」としてほぼ毎日のようにテレビ番組やYouTubeのレース配信番組でボートレースの面白さ、楽しみ方を身をもって示している人です。小難しいことは抜きに「興味はあるけど専門知識ゼロの人が、とりあえず舟券を予想できてレースを楽しめるようになる」をコンセプトに書き下ろした1冊です。
公開日:2023.11.24