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わずか0.05秒で獲物を長い舌でキャッチ【ハンター生物の話】

Text:今泉忠明

ジャクソンカメレオン

ジャクソンカメレオンはトカゲの仲間で、ほとんどは木の上で暮らし、動きは緩慢です。前足も後ろ足も指が内側と外側に分かれ、両側から木の枝をしっかりとつかんで暮らしています。ジャクソンカメレオンが主にとるのは昆虫です。木の上から目だけをグリグリと動かし、獲物を探します。ジャクソンカメレオンの目は、左右別々に動かすことができ、それぞれ前後上下を自在に見ることができます。そのため、首を動かさなくても四方八方をくまなく見ることができ、すぐに獲物を見つけることができるのです。

獲物を発見すると、口の中から瞬時に長い舌が出てきて、目にも止まらぬ速さで獲物をキャッチします。カメレオンの舌には、舌骨という骨があります。舌骨は筋肉で覆われ、縮んだ状態になっていますが、獲物を捕まえるときにはまるでバネのように、勢いよく飛び出てきて獲物を捕らえ、すぐさま舌を引っ込めて口に入れます。ジャクソンカメレオンの舌の先からは粘液が分泌され、獲物に一瞬触れるだけで口まで運ぶことができます。この間、わずか20分の1秒。スローモーションで見なければ獲物を獲ったかどうか確認できないほどで、文字通り舌を巻く早業です。

カメレオンは、体の色が変わることが有名で、態度や意見がコロコロ変わる人のたとえとして用いられることもあります。体色変化は温度や光の強さ、感情や体調によっても起こりますが、主に周囲に紛れるための擬態として働きます。一般に興奮したときには派手な色になり、体調が悪い時にはくすんだ色になります。見た目が奇怪なこともあり、ペットとしても人気ですが、飼育は難しいと言われています。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 ハンター生物の話』
監修:今泉忠明 日本文芸社刊

執筆者プロフィール
国立科学博物館で哺乳類の分類学・生態学を学ぶ。
上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。著書も多数。

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