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漢字はいつの時代からどのように日本で用いられるようになったの?

漢字は模様として扱われていた

 漢字が日本に伝来してから、実際に使われるようになるまで、当然ですが、さらに時間がかかっています。漢字を文字と認識していたのは一部の人だけで、金印や貨幣に刻まれていた漢字は文字としてではなく、模様と見られていました。それを裏づけるのが、新の王も莽の時代に作られた王莽鏡という十二支を刻んだ鏡をまねて、日本で四~五世紀にかけて作られた「方角四神鏡」です。奈良県で出土されたこの鏡には十二支の順番が違っていたり、同じ字が重複して刻まれていたり、くずして読めなくなった字もあります。また、「方角四神鏡」と同じ頃に作られた「三神三獣鏡」の銘文にも、原型と見られるものに誤りがないのに、漢字が左右逆になっていたり、順番が違っていたりするのです。

このふたつの鏡が意味するのは、その当時、一般の人には漢字は文字として認識されていなかったということでしょう。四世紀頃には百済から日本に漢字と漢文が伝えられたという証拠のひとつに、奈良県の石いそのかみ上神宮に収蔵されている「七支刀」があります。全長約75センチメートルの鉄製の両刃の剣で、表と裏に金象嵌で六十一文字の銘文が刻まれています。これはいわゆる金字です。四世紀後半に百済で作られ、日本の朝廷に献上されたものとされますが、日本に現存する最古の文字史料のひとつで、この頃には漢字が確かに伝わっていたという証拠になっています。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための日本語と漢字』
監修:山口謠司

「ニッポンとニホン使い分けは?」、「なぜ緑色なのに青信号?」「十二支の本当の意味とは?」、「間違って使うと恥ずかしい敬語は?」日本語と漢字にまつわる、とことん面白くてためになる話。単なるうんちくにとどまらない、使える日本語、生きた日本語から、日本人が覚えておきたいしきたりや文化、マナーまで幅広く紹介。図解でよりイメージができ、面白いほどかんたんに、日本語の興味深い「なぜ」と、正しい日本語の知識が増える1冊!