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使い方に要注意!「カエルの子はカエル」の本来の意味ってなに?

カエルの子はカエルというのは失礼な表現

慣用句や諺(ことわざ)にはまた、本来の意味を取り違えて使ってしまっているものがあります。場合によっては褒ほめているつもりでも、逆に失礼になっているものもあります。ピッチャーとして甲子園に出場が決まった息子さんをもつ上司に、「課長も高校時代、野球部で活躍なさったそうですね。親子揃って野球センスがいいんですね。まさにカエルの子はカエルですね」と言ったところ怪訝(けげん)な顔をされた、という話があります。

「カエルの子はカエル」という諺は「子どもは親のたどった道を歩むもの」「凡人の子は凡人にしかなれないもの」という意味です。カエルの子はおたまじゃくしだけれど、成長してカエルになっても、カエル以上のものにはなれない、というところから来ている諺なので、子どもの性質や才能は親に似るもので、親以上にはなれない、ということになります。「瓜(うり)のつるになすびはならない」「鳶(とんび)の子は鷹にならず」と同じ意味なのです。「カエルの子はカエルなので、この程度で満足しないといけませんね」など、謙譲の意味から言うときに使う言葉です。

「鳶の子は鷹にならず」の反対の言葉に「鳶が鷹を生んだ」があります。平凡な親から優秀な子どもが生まれることですが、これも親である相手に言うのは、失礼に当たりますから、相手に言うときも、自ら言うときも、ごく親しい人に限って使ったほうがいいでしょう。そうでない場合は「この親にしてこの子ありですね」が適切だと思います。

また、よく反対の意味にとられてしまう諺に「情けは人のためならず」があります。本来は「人に親切にすればその相手のためになるだけでなく、やがては良い報(むく)いとなって自分に還かえってくる」という意味ですが、「親切にするのはその人のためにならない」という意味に使われてしまっています。平成22年度「国語に関する世論調査」(文化庁)では間違った捉え方をしている割合が45.7%という結果が出ています。諺は、意味をしっかり理解して適切な場面で使うようにしたいものです。

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 大人のための日本語と漢字』
監修:山口謠司

「ニッポンとニホン使い分けは?」、「なぜ緑色なのに青信号?」「十二支の本当の意味とは?」、「間違って使うと恥ずかしい敬語は?」日本語と漢字にまつわる、とことん面白くてためになる話。単なるうんちくにとどまらない、使える日本語、生きた日本語から、日本人が覚えておきたいしきたりや文化、マナーまで幅広く紹介。図解でよりイメージができ、面白いほどかんたんに、日本語の興味深い「なぜ」と、正しい日本語の知識が増える1冊!