オウム返し? カラスにだってできますよ
カラスは美しいさえずりはしませんが、モノマネは得意です。飼育されているカラスが「おはよう」などとしゃべるのは珍しくありません。動画投稿サイトに上がっているので、気になった人は探してみてください。飼育下でなくても、公園で将棋を指していた人の「待った」を覚えたらしいカラスや、運送会社で「バックオーライ」を覚えたカラスの話も伝えられています。鳥がモノマネをする理由はいくつか挙げられています。キビタキなどは自分のさえずりに他の鳥の歌を混ぜ込んでしまいますが、これはメスに対するアピールや、ライバルのオスへの牽制だと言われています。
一方、オウムやキュウカンチョウ、カラスがモノマネをする理由はよくわかっていません。ただ、カラスは相手の声を即興でまねて返すことがあります。調査中にカラスの鳴きまねをすると、同じように鳴き返してくることがあるからです。オウムもカラスも集団で社会を作る鳥なので、「今こんな声で鳴いたお前、ちゃんと聞こえてるぞ」という信号になっているのかもしれません。カラスがその辺のちょっとした音をまねていることもよくあります。道路工事のに合わせて「ガラララ」と鳴いていたりします。武道場から聞こえた「一!二!三!四!」に合わせて「カア!カア!カア!カア!」と鳴いていたカラスもいました。
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 カラスの話』
著: 松原始
「カラスはなぜ怖いのか?」がわかる本!黒い羽を虹色に輝かせ、時に人を威嚇し、悠然と街を歩く。不吉なシンボルとされる一方、賢さで知られる彼らの生態や魅力を面白く伝える1冊です。「カラスはほんとは怖くない!? 」「 読めばよむほど、好きになる!?」
公開日:2021.05.10