人はより確実なものを求める
あなたはどちらかのゲームに参加できます。どちらのゲームに参加したいでしょうか。A:5千円が80%の確率でもらえる B:6万円が8%の確率でもらえる
人は得なものを選んで行動してしまいますが、必ずしもそうとはいえません。Aのゲームでは期待値は5千円×0.8で4千円(1回のゲーム参加で4千円がもらえる計算)です。一方、Bは6万円×0.08で4800円(1回のゲーム参加で4800円がもらえる計算)です。
つまりBに参加するほうが得をする確率が高まります。ところがこの問題を594人の人にしたところ88%の人がAを選びました。さらに次のように質問を変えてみました。C:5千円が確実にもらえる D:6万円が10%の確率でもらえる
この期待値はCが5千円、Dは6千円です。DのほうがCよりも得をするゲームになりました。しかし、実際に聞いたところCを選ぶ人が90%と増えてしまったのです。どちらかが得をするということよりも、この「確実にもらえる」という言葉の魅力に惹かれたのです。
このように確実にもらえるものは強い安心感を生み、多くの人が選びたくなる傾向があります。この心理を「確実性効果」といいます。
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出典:『ゼロからわかる 知らないと損する 行動経済学』著/ポーポー・ポロダクション
【書誌情報】
『ゼロからわかる 知らないと損する 行動経済学』
ポーポー・ポロダクション 著
コロナ禍により、さらに注目を集めている行動経済学。消毒液をプッシュするとおもしろい音が出ることで、手指の消毒を促進したり、レジ前に足跡のマークをつけてソーシャルディスタンスを保ったり。行動経済学は難解な経済の話だと思われることもありますが、そんなことはありません。「1980円はなぜか安く感じる」「中古品の買取価格に毎回満足できない」「投票の話を聞くだけで投票率が上がる」など、「つい、○○してしまう」という人の不思議な行動を扱う、身近なテーマです。本書ではお金と心理の話を中心に、そんな行動経済学のおもしろさが伝わる内容となっています。初心者の方はもちろん、行動経済学への理解を深めたいと考える方にもおすすめしたい一冊です。
公開日:2022.09.27