「本日限り全品30%OFF!」 に吸い寄せられる理由
商売を行う上では、売上を大きくして、その分利益も拡大したいという欲望がはたらきます。しかし、単純に商品単価を上げれば、客離れを益圧縮を招き潰を狙う手もありますが、規模の小さな商売では利起こし逆効果です。また、単価を下げて薄利多売つぶれかねません。手間をかけずに客単価を上げるのに有効な手法は次の通りです。
★中間価格誘導セル(松竹梅などで竹をアピール)
★限定セル(限定条件提示でメリット付加)
★クロスセル(関連品同時購入でメリット付加)
★アップセル(購入商品額アップでメリット付加)
お客の単品注文をセット注文に誘導して割安を強調するアップセルや、関連品の同時購入を強調するクロスセル、「今だけ3割引き」などの限定セル、中庸を選ぶ心理を刺激して、一番売りたい商品を「竹」に設定する松竹梅戦略などです。
とりわけこれらのセールス手法の中でも、即効性が高いといわれるのが「限定セル」になります。「今だけ半額!」「残りわずか!」「お客さんだけ特別3割引きにしますよ!」などとアピールされると、ついつい買う気もないのにその商品の前で足を止めてしまう効果が期待できるからです。
不要なモノまで買わせる衝動効果が高いのです。数量が少なくて希少性が高く、それが限定条件付きとなると、太古の時代にDNAに刷り込まれた「飢餓感」が刺激されてしまうのでしょうか。この「限定セル」には、次のような心理効果も付随することが、よく知られています。
★「スノッブ効果」…希少性が高いほど欲しい。
★「ウェブレン効果」…価格が高いほど欲しい。
★「バンドワゴン効果」…皆が買うモノが欲しい。
衝動買いの癖がある人は気をつけましょう。
出典:眠れなくなるほど面白い 図解 経済とお金の話
【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 経済とお金の話』
神樹 兵輔 著
日本社会をとりまく環境は日々変化を続けています。特にここ数年、令和の時代に入って、日本も世界も大きな変化が起こっています。日本の経済を知ることはイコール「世界や社会の今」を知ることにもなります。本書は〝経済のことは難しくてよくわからない〟というような人たちに向け、最低限知っておきたい経済の基本を身近なテーマと共に解説、読み解く一冊です。行動経済学から、原価や流通や利益のしくみ、生活に密着した経済の疑問や問題点など、いま知っておきたい経済やお金のことを、図とイラストでわかるやすく解説していきます。経済のしくみや原理原則を理解しないまま日常生活を過ごしていると損をしてしまうことになってしまいます。賢く今の世の中を生き抜くためには、世の中の動きやそこに潜む経済のメカニズムを理解することは必要不可欠なものです。
公開日:2022.02.01