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日々刻々と変化する「各国の通貨価値」が決まるふたつの要因とは?【経済とお金の話】

「各国の通貨価値」はどのようにして決まるのか?

「ドル安で円高だ」とか、「ドル高で円安だ」などと言いますが、こうした通貨の交換価値を決定づけるのは「為替レート」になります。そして、為替レートは日々刻々と変化しています。各国のこうした為替レートは、かつては固定相場制でしたが、先進国の多くは70年代を通じ変動相場制に移行してきました(中国は固定相場制)。

1万ドル相当の米国製品を輸入する際、1ドルが100円の円高レートなら、100万円の支払いですみますが、1ドルが110円の円安レートなら、日本からは110万円の支払いが必要になります。円高なら製品の輸入に有利ですが、円安なら製品の輸入は不利になり、反対に日本から製品輸出する場合は、日本円が安くなれば相手国通
貨が高く有利になります。輸入業者が円高を喜び、輸出業者が円安を喜ぶ傾向が見て取れるわけです。

こうした「為替レート」を決定づける第一の要因は、各国の「金利水準」になります。為替リスク以上に米国の金利水準が上昇した場合には、米国でのドルの運用が有利になるので、日本円が売られ米国ドルが買われていき、需給バランスから、ドル高傾向に導かれるのです。

もう一つの要因が、「貿易収支」になります。輸出のほうが輸入より多ければ、稼いだドルを自国通貨の円に換える働きから、自国通貨の需要が増して円高になります。 かつての日本は、米国との貿易で輸出が多く、たびたび円高に悩まされましたが、自国通貨高はまさしく国の経済力の反映でもあったからです。ちなみに、世界の貿易取引での決済通貨では、ドルやユーロが中心で、日本円や英国ポンド、スイスフランなどが、それらの通貨に準じています。

出典:眠れなくなるほど面白い 図解 経済とお金の話

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 経済とお金の話』
神樹 兵輔 著

日本社会をとりまく環境は日々変化を続けています。特にここ数年、令和の時代に入って、日本も世界も大きな変化が起こっています。日本の経済を知ることはイコール「世界や社会の今」を知ることにもなります。本書は〝経済のことは難しくてよくわからない〟というような人たちに向け、最低限知っておきたい経済の基本を身近なテーマと共に解説、読み解く一冊です。行動経済学から、原価や流通や利益のしくみ、生活に密着した経済の疑問や問題点など、いま知っておきたい経済やお金のことを、図とイラストでわかるやすく解説していきます。経済のしくみや原理原則を理解しないまま日常生活を過ごしていると損をしてしまうことになってしまいます。賢く今の世の中を生き抜くためには、世の中の動きやそこに潜む経済のメカニズムを理解することは必要不可欠なものです。