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「GO TOキャンペーン」が外部不経済を促進させかねない理由とは?【経済とお金の話】

「GO TOキャンペーン」が経済学的にNGな理由

2019年末に中国から広まった新型コロナウィルスは瞬くうちにパンデミック(世界的大流行)を引き起こしました。世界中が大打撃です。ところで経済社会では、事業者同士(経済主体)が市場において取引を行いますが、通常こうした取引は、その当事者以外の人達には何ら影響も及ぼさない―― というのが一般的前提です。

しかし、ある事業者が「環境によい活動」を行えば、取引に関係のない人達にもメリットが生じますし、反対に「公害」などを発生させれば、周辺の人達にも大迷惑を及ぼすことになります。市場での経済主体の自由な行動に任せておくと、このような副次的影響が、発生するわけです。

これらの例のように、当事者以外の人たちにまで何らかの影響を及ぼすことを経済学では「外部性」と呼び、取引に関係のない人達にメリットをもたらす場合を「外部経済」、デメリットを与える場合を「外部不経済」と呼んでいます。

今回のコロナ禍は、まさしく多くの人達にとって「外部不経済」といえますが、とりわけ、感染拡大防止の観点からいえば、外食産業や旅行業者の対面型取引は、取引関係者以外にも不利益をもたらす可能性の高い「外部不経済」に相当します。

経済学の教科書では、こうした「外部性」に対処する方法として、2つの処方箋が示されます。「外部経済」には、その事業者に補助金を支給するか税金を安くし、「外部不経済」には、その事業者に活動を抑制させるべく補助金を支給するか、その活動への課税を強化させるかになるのです。残念ながら、「GO TOキャンペーン」は、「外部不経済」を促進させかねない事業者の「活動」に補助金を与えるという点でNGなのです。

出典:眠れなくなるほど面白い 図解 経済とお金の話

【書誌情報】
『眠れなくなるほど面白い 図解 経済とお金の話』
神樹 兵輔 著

日本社会をとりまく環境は日々変化を続けています。特にここ数年、令和の時代に入って、日本も世界も大きな変化が起こっています。日本の経済を知ることはイコール「世界や社会の今」を知ることにもなります。本書は〝経済のことは難しくてよくわからない〟というような人たちに向け、最低限知っておきたい経済の基本を身近なテーマと共に解説、読み解く一冊です。行動経済学から、原価や流通や利益のしくみ、生活に密着した経済の疑問や問題点など、いま知っておきたい経済やお金のことを、図とイラストでわかるやすく解説していきます。経済のしくみや原理原則を理解しないまま日常生活を過ごしていると損をしてしまうことになってしまいます。賢く今の世の中を生き抜くためには、世の中の動きやそこに潜む経済のメカニズムを理解することは必要不可欠なものです。

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